戦前にも奈良の鹿だまり
戦前の「奈良名勝ゑはがき」を入手しました。
表紙は鹿ですねぇ。奈良といえば鹿。♪
戦前のものであることは間違いないでしょうが、いつのものか定かではありません。
昔の絵はがきをたくさん見ていれば、ある程度見当が付くのかもしれません。未熟です。
何枚かご紹介します。
一の鳥居。
「春日社に属す。鳥居を入れば右側一帯の岡を浅茅ケ原と称す。南方荒池を距てて高壮なる奈良ホテルあり。附近に片岡の梅林あり。眺望佳絶古雅掬すべし。」とあります。現物には句読点はなく、補いました。以下同様です。
神鹿。
「森の蔭、芝生の上、悠々として群れ遊び人に馴るゝ様、真に愛すべきは春日の神鹿なり。毎秋十月角伐の行事あり。壮快云はん方なし。」
本当に「真に愛すべき」ものと思います。♪
今、奈良国立博物館の敷地内の鹿だまりに多数の鹿が集まっていますが、この絵はがきにも鹿だまりができています。
三笠山。
「嫩草山とも称す。全山樹木稀に、緑芝露濃かにして、恰も絨氈を敷けるが如し。四時人の登攀する所にして、山上の眺望云ふべからず。毎年二月、山焼の行事あり。壮観無比なり。」
猿沢池。
「猿沢池は月の名所、奈良八景の一なり。柳糸四辺を繞り、興福寺の堂塔を望み、池中巨口網鱗の溌溂たる亀鼇の悠々たるを以つて旅情を慰むに足る。東畔に衣掛柳、西畔に采女社あり。」
今も昔もあまり変わりませんね。
今後もあまり変わって欲しくありません。
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本当に変わってませんよねえ。
写真にある部分は、これからもあんまり変わっては行かないでしょうね。
というよりは、変わってゆくべき要素があんまりないように思います。
だからこそ、観光的な価値もあるのでしょう。
投稿: 三友亭主人 | 2022年8月17日 (水) 09時18分
三友亭主人さん
コメントをありがとうございます。
変わっていませんよねぇ。
他の写真は、大仏、大仏殿、正倉院、春日大社などなどで、やはりどれも今と変わりません。
仰るとおり、変わらないことに価値がありますね。
リニアの駅ができるのが少し心配です。
投稿: 玉村の源さん | 2022年8月17日 (水) 12時32分