宝飯社機械製糸の楠公さん
このようなものを入手しました。
サイズは11.8cm×16.1cmです。
下の方に「大日本 三河国」「宝飯社機械製糸」とあります。
上の方にはローマ字で「HOISHAKIKASESI」とあります。
「I」が2つ足りません。「KIKAI」の最後の「I」と、「SEISI」の真ん中の「I」です。
版を作った職人さんが落としてしまったのでしょうかね。「I」は細長いので見落としがちかもしれません。
馬上の武将は、三鍬形の兜と胴の紋所から楠木正成と思われます。
枠の飾りも菊水の紋を図案化したもののようです。
印刷業者は、下の枠外にこのようにあります。
一部読みづらい文字がありますが、「尾州亀崎萬象堂石印」でしょうか。
石版印刷なのでしょう。
宝飯郡は今の愛知県豊川市・豊橋市を中心とする地で、大宝以前(大化以前か?)の穂国。
和銅年間の行政地名は二字嘉字にせよとの命で、「宝飫(ほお)」と改められました。
「飫」の字は「食べあきる。満足する。」の意。
「宝飫」は宝物が飽きるほどあるという意味を持たせたものと思われます。
しかし、「飫」はあまり用いられない文字であることから、「宝飯(ほい)」と誤られたと推測されます。
どうして三河国の製糸会社が楠公さんの画像を用いたものか分かりません。
社長さんが楠公さんのファンであったのかもしれませんし、楠公さんの人気にあやかろうとしたのかもしれません。
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