昭和35年の大和文華館名品図録&万葉集桂本断簡
昭和35年11月刊行の『大和文華館名品図録』を入手しました。
恥ずかしながら大和文華館にはまだ行ったことはありませんでした。
図録の巻頭にこのような文章があります。
大和文華館はこの年の10月設立なのですね。
とすると、この図録は開館時のものということになります。
この館は近鉄による文化的事業なのでした。
そういえば、東急にも五島美術館があります。
この図録はモノクロ写真が中心ですが、一部にカラーもあります。
図録の中に桂本万葉集の断簡がありました。
モノクロなのは残念です。
最初の5行は710番歌、あとの5行は492番歌ですので、本来は別々の箇所から切り出された断簡を継いだものです。
先週、桂本万葉集の断簡を収めた『桂の落葉』(昭和6年)を記事にしました。
この2つの断簡は『桂の落葉』にも収められています。
『桂の落葉』の解説によれば、この2つの断簡は益田男爵所蔵とあります。益田男爵は益田孝(昭和13年没)です。
『桂の落葉』の編纂時には益田孝の所蔵であったものが、益田孝の死去後大和文化館の所蔵となったものでしょう。
『桂の落葉』に収められていない断簡ならば面白かったのですが、そううまくは行きません。残念です。(^_^)
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大和文華館には、数年に一度いってますねえ。情報として面白そうな特別展があるときにはフラフラと…特にこの時の…https://www.kintetsu-g-hd.co.jp/culture/yamato/exhibition/momoyama.html
伊勢物語、芥川図は、教科書に乗ってるあの絵はここにあったんだあ、と妙に感心したものです。
投稿: 三友亭主人 | 2022年7月18日 (月) 08時04分
三友亭主人さん
コメントをありがとうございます。
三友亭主人さんは時々この美術館にいらしているのですね。
URLをお示しくださった芥川図はこの図録にも掲載されています。
昭和35年の開館当初から所蔵されていたのですね。
大企業の文化活動は本当にありがたいことと思います。
ここでまた、近鉄提供の「真珠の小箱」を思い出しました。
投稿: 玉村の源さん | 2022年7月18日 (月) 09時07分