『尚古鎧色一覧』
ネットオークションでこのような本を入手しました。
上下2冊です。
ググってみると、天保5年(1834)の刊行とのことです。
表紙をめくると、裏表紙は白紙で、遊び紙もなく、左ページからいきなり本文が始まっています。
冒頭は白糸威です。
出雲国の日御碕神社に所蔵されている旨の記載があります。
次の見開き。
紫色系の縅が並んでいます。
その次の見開き。
こちらには紅系の縅が並んでいます。
こんな感じで、全く同じように続いて行きます。
縅の名称にはふりがなが付いていて、ところどころに出典も記載してあります。
鎧の大袖の色目は『国語便覧』などにカラーで載っていそうですが、大袖の色目、子供の頃から大好きです。
楽しい本を入手できました。
下巻の最後はこのようになっています。
上巻の冒頭と同じく、これまたあっさりとした終わり方です。
本来は天保5年の跋が付いているはずなのですが、それはカットされてしまったようです。
奥付もあっさりとしたもので、いつの版か分かりません。
ただ、「京都市」とあります。京都市の市制施行は明治22年(1889)ですので、それ以降の刊行ということになります。
子供の頃から、鎧兜や刀剣が好きでした。
近年、刀剣女子が流行りのようですけど、私の方が60年早いです。(^_^)
甲胄や刀剣は美しい形をしていますが、あれは機能性を追求していった結果、機能美を備えた面もありましょう。
しかし、鎧の縅の色は機能美とは関係ありませんね。どんな色でも良いわけですから。
鎧が美しいのは、美しく着飾りたいという思い、活躍ぶりをアピールしたいという思いによるものなのでしょうね。
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