昭和23年の「文化家族合せ」
つい先日、「正統派家族合わせ」と題して、戦前の家族合わせをご紹介しました。
今回は、昭和23年の「文化家族合せ」です。
明治維新後には「文明」という語を冠することが増え、戦後は「文化」という語を冠することが多いような気がします。
前回の家族合わせでは、総理大臣の名前が「くにのいしづい」、巡査が「たみをまもる」でした。
今回のではこのようになっています。
総理大臣ではなく政治家で、名前は「くにをおさむ」、巡査ではなく警察官ですが、こちらの名前は前回と同じく「たみをまもる」です。
家族の種類は、前回のが、主人、妻、息子、娘、下女でしたが、今回のでは、下女の代わりに飼い犬になっています。
明らかに時代は変わりました。
家族の種類は次の通りです。
前回の家族の種類は、総理大臣、巡査、医士、代議士、易者、大学教授、金満家、番頭、陸軍大将、海軍大将の10種でした。
今回のでは、政治家、警察官、医者、画家、俳優、アナウンサー、農家、漁師、銀行家、金満家の10種です。
大学教授が消えてしまいました。
また、画家、俳優、アナウンサーが加わっているあたりにも「文化」が感じられます。
農家、漁師が加わっているのは、第1次産業の重視ですね。食べ物は大事です。
医士が「藪井竹庵」という古典的な名であったものが、今回のでは「やまいなおすけ」になっていて、好意的です。
それぞれの名の意味はよく分かる中で、俳優の名の「よこやまたつのすけ」はなんでしょうか?
横山エンタツの名が頭をよぎりましたが、俳優ではないし。
この家族合わせには解説書が付いています。
これで遊び方がよく分かり、ありがたいです。
この解説書の末尾の記載から、昭和23年11月1日発行、昭和28年11月1日再版ということが分かります。
昭和28年というと、戦後もう8年経っていますが、この解説書も家族合わせ本体も紙質は悪いです。まだまだ物のない時代だったのですね。
遊び方の説明にこんな部分がありました。
ゲームの途中で「プリース」「アイムソリー」「サンクユー」と言わないといけないのでした。
昭和23年という時代の世相を垣間見る思いがします。
昭和28年の再版時にはもう連合軍の占領は終わっているのですから、直したって良さそうなものですけど。
本当に同時代資料は面白いです。←といういつも同じ感想。(^_^)
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