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2022年5月25日 (水)

去来本『おくのほそ道』

 去来本『おくのほそ道』の複製を買いました。
Okunohoso01
 『おくのほそ道』が好きなのと、苦手なくずし字の勉強をしようと思ったのと、安かったのと、それらが理由です。

 帙に貼ってあった奥付。
Okunohoso02
 昭和8年、岩波書店の発行で、コロタイプ印刷です。

 冒頭。
Okunohoso03
 「月日は百代の過客にして」という有名な文で始まっています。

 巻末。
Okunohoso04
 元禄8年に嵯峨の落柿舎で書写した旨の去来の奥書があります。
 1行目には「誤字・落字のおほからん事をおそれ侍るのみ」とあります。
 謙遜の気持ちもありましょうが、注意深く書写したつもりでも、誤った本文を後世に残してしまうことを恐れたのでしょうね。

 先日の大河がらみで、平泉の部分。
Okunohoso05
 1行目から、

  偖(さて)も義臣すぐつて此城に
  こもり、功名一時の叢となる。国破
  れて山河あり、城春にして草
  青みたり、と笠打敷て、時のう
  つるまで泪を落し侍りぬ。
    夏草や兵どもが夢の跡

 読めない文字もあって、活字本を参照しました。
 つくづく名文と思います。

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コメント

卷末1行目の最後は「おそれ」3字で、釋文の「恐れ」は衍字ですね。
ケアレスミスをあげつらふ氣はさらさら無のですが、あるいは學生が勉強のために見てゐる可能性もあらうかと、「老爺心」ながら記しました。

筒井先生

 いつもありがとうございます。

 おっしゃるとおりです。
 漢字で変換してしまい、あとから仮名に直したときに、もとの漢字を削除するのを忘れました。
 相変わらず粗忽でいけません。
 以後さらに気を付けます。

 ありがとうございました。

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