上代文学会賞は葛西太一氏
今日明日は信州大学で上代文学会の大会です。
会場とオンラインとのハイブリッド形式での開催で、私は自宅からZoomで参加しています。
今日の第1日目は講演が2つと、上代文学会賞の授賞式、総会です。
上代文学会賞は葛西太一氏が受賞しました。
この賞は、該当者なしになる年も多い、権威ある賞です。
授賞式。
授与者は代表理事の田中大士氏です。
葛西氏のあいさつ。
Zoomの画面を勝手にキャプチャーして、しかもそれを公開してしまって良いものやら。(^_^;
受賞対象は、『日本書紀段階編修論 文体・注記・語法からみた多様性と多層性 』(花鳥社)です。
この本の内容は、まず日本書紀区分論で、日本書紀全30巻がどのように区分されるかを論じています。
日本書紀区分論は森博達氏のα群・β群の説が定説のようになっていますが、結論自体は葛西説も森説にかなり近いものになっています。
しかし、森説が主に歌謡や訓注の字音仮名の音価を手がかりにしたものであるのに対し、葛西説は文体と句読の差違を手がかりにしています。こういった全く異なる手段を用いながら、似た結論に至ったことに意味があると思います。
続いて、この基盤となる本文が、数次に亙る編集段階を経て現在の姿になったことを具体的に論証しています。
大変に注目される著書です。
さて、会場の信州大学教育学部は長野市にあって、ほど遠からぬ所に善光寺があります。
今、ちょうどご開帳で賑わっているようです。
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