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2022年1月22日 (土)

「忠君愛国双六」&新聞紙の裏打ち

 このような双六を入手しました。
Chukun01
 文字が欠けてしまっていますが、上部中央に「忠君愛国双六」とあります。
 多分、雑誌の新年号の付録ではないかと思います。
 年号等は一切書かれていません(左右の余白を切り取られていますので)が、「忠君愛国」とあるからには、戦前のものでしょう。

 新聞紙による裏打ちがあります。
Chukun02
 このような部分があり、朝日新聞の大阪本社版であることが分かります。
 そして、別の箇所に日付があり、昭和26年3月14日版であることが知られます。
 戦後6年目ですね。そして、今から70年前。
 この双六で遊んだ少年は、ご存命ならば80代でしょうか。

 戦前の双六を、昭和26年に、ある少年が引っ張り出してきて遊んだのでしょう。
 こんなもので遊んでいたら、GHQに連れて行かれそうですが、GHQもそんなに暇も人手もなかったことでしょう。(^_^)

 右下がフリダシで、中央が上リという、一般的な形です。
 以下、それぞれのマスを列挙します。
  1フリダシ.二宮金次郎
  2.養老滝
  3.菅原道真
  4.源義家
  5.徳川光圀
  6.楠木正行
  7.織田信長
  8.西郷隆盛
  9.豊臣秀吉
  10.高山彦九郎
  11.村上義光
  12.和気清麻呂
  13.吉田松陰
  14.児島高徳
  15.新田義貞
  16.東郷元帥
  17.伊藤博文
  18.乃木大将
 上リ.阿倍比羅夫

  どうでしょ。「忠君愛国」というタイトルとは必ずしもぴったりこない人物も多そうです。
 時節柄、「忠君愛国」を謳うことで、雑誌の売上が伸びたり、不足気味の印刷用紙を入手しやすくなるとか、何かあったのかもしれません。

 南北朝時代の人物が多いようです。
 ところがなぜか、私の好きな楠木正成がいません。正行はいるのに。ナゾです。

 近代は、伊藤博文と東郷平八郎、乃木希典の3人です。
 このうち、伊藤博文は直接フルネームですが、東郷と乃木は名字+階級で書かれています。
 東郷、乃木への敬意の方が高いと見るべきか、それとも階級で呼ぶ方が一般的だったのか。興味があります。

 上リは阿倍比羅夫ですね。なんか唐突な気がします。

 この双六、昭和26年以降に裏打ちをされたあとに施された加筆が何ヶ所かあります。そのいくつかを見てみます。
 絵の向きは見やすいように回転させました。

 8.西郷隆盛。
Chukun03
 2が出たら「しばかれる」とあります。他の数字は丸に白抜きであるところを見ると、これは加筆ですね。
 「しばく」は関西方言でしょう。裏打ちの新聞紙が大阪本社版ということと整合します。
 友達をしばくのは乱暴ですね。みんな仲良く。

 10.高山彦九郎。
Chukun04
 3が出たら、休みで寝ることになります。これは平和的です。

 16.東郷元帥。
Chukun05
 「帥」の字が「師」と書かれているという、ありがちな誤字があります。
 あと、字がよく判読できませんが、5が出たら「フリダシエ」でしょうか。
 東郷元帥のマスは上がり直前です。それで、1や4が出れば、さらに上がりに近づけますし、3が出たら上りです。
 それにも関わらず、5が出たらフリダシに戻されてしまうというのはあんまりです。(^_^;

 あれこれ興味深いです。
 やはり、同時代資料は面白い。←いつも、ここに行き着く。

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