大正9年の「小学少年双六」
お正月らしいネタです。
昨年、このような双六を入手しました。
双六自体がお正月の遊びというイメージですが、この双六はテーマもお正月です。
大正9年に発行された『小学少年』の付録です。この雑誌は知りませんでした。
大正9年というと1920年、今から102年前ですね。
「さるまはし」のマスには「ここへくればおさるのかほをしてみせる」とあります。
「はねつき」では、顔に白粉か墨を塗られ、「なきぞめ」では、泣きまねをしなければなりませんが、みかんをもらえます。
発行元は研究社です。今もあるあの研究社でしょうか。
所在地は、字が小さいですが、東京市麹町区富士見町六丁目七番地とあります。
現在の研究社の所在地は、HPを見ると東京都千代田区富士見2-11-3とあります。
地番までは確認していませんが、同じ富士見なので、多分、同じ会社でしょうね。
これまた同じく同社のHPによれば、研究社は1907年(明治40年)の創立ということですので、大正9年は創立から13年ということになります。このころはこういう雑誌も出していたのでしょうね。
「たけうま」のマスでは、ほっぺたをつねられます。
右上。
「はつゆめ」ではイビキをかくまねをし、「おしし」では逆立ちをすることになっています。
逆立ちはハードルが高いですね。
右下。
「ざうに」のマスでは餅が喉につまったまねをしなければなりません。
今どきだとアウトでしょうね。
全体の絵を見ると、子供たちは着物姿が多いですけど、それは正月だからかもしれませんね。
履き物は様々ですね。草履、下駄、靴。
着物に靴という組合せも少なからずありますね。
同時代資料は面白いです。
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このすごろくを見ながら、自分が子供のころのお正月のことを思い出していました。
昭和も40年過ぎのこと(当然地域差も)とてこのすごろくとはずいぶん変わってきていますが、いくつかは懐かしくもあることも描かれていますね。
一つ、「あれはないのか…やっぱりな」と思ったことがありました。
多分、ほかの地方では「初売り」というのでしょうが、宮城では「買い初め」と言っているところが多く、その主体がひっくり返っています。仙台あたりの「買い初め」は特に派手で、商品を買った金額と同じだけの景品がついていたように記憶しています。そうではなくて、近所のいつも言っている商店に行っても結構なものがもらえたりして…
昨年の愛顧に対するお礼と、この一年もよろしくって意味だったんでしょうね。
投稿: 三友亭主人 | 2022年1月 4日 (火) 07時53分
三友亭主人さん
コメントをありがとうございます。
100年前のもので、服装も今とは大きく違いますが、変わらないもの、今は廃れてしまったけれども、懐かしいものもありますね。
「買い初め」ですか。「初売り」が一般的でしょうけど、売る人よりも買う人の方が多いでしょうから、そういう意味では、むしろ「買い初め」の方が一般的でもおかしくないですね。
買った金額と同額の景品が付いてくるというのは太っ腹ですね。
太っ腹すぎて、赤字になりそう。
テレビショッピングでは、1つ買うと、おまけにもう1つ付いてくる、というのもあるようですけど、その走りとも言えそうな。
でも、「買い初め」の方は、仰るように、昨年の愛顧を込めてのお礼と、今年もよろしく、という意味だとすると、趣旨は異なりそうですね。
双六に戻ると、4枚目の画像の「はつゆめ」で、男の子はかい巻きを掛けて寝ていますね。これも最近は珍しいのではないでしょうか。
また、切り取り方が悪くて、中央部が欠けてしまいましたが、上から3段目の中央部に、男の子が郵便ポストに手紙を入れているマスがあります。このマスの名は「ねんし状」です。
今は「年賀状」と言っているものを、当時は「年始状」と言っていたのですね。
面白いです。
投稿: 玉村の源さん | 2022年1月 4日 (火) 09時15分