« オリヅルランに成長差 | トップページ | 昭和37年の忠臣蔵の吉右衛門 »

2021年12月13日 (月)

「萬葉百首 絵かるた」(2)

 一昨日ご紹介した昭和初期の「萬葉百首 絵かるた」に収録された百首のリストアップがようやくできました。
 何しろ、読み札はこのようにできています。
Manyo100card03
 活字なのは幸いですが、歌番号が書いてないので、集計がなかなか大変でした。

 結果は以下の通りです。歌番号順に並べてあります。
 なお、歌詞は現在比較的一般的な訓みに従い、かるたの通りではありません。

1  8 熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな 額田王
1  15 わたつみの豊旗雲に入り日差し今夜の月夜清く照りこそ 天智天皇
1  20 あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る 額田王
1  22 川の上のゆつ岩群に草生さず常にもがもな常処女にて 吹黄刀自
1  28 春過ぎて夏来るらし白栲の衣干したり天の香具山 持統天皇
1  48 東の野にかぎろひの立つ見えてかへり見すれば月かたぶきぬ 柿本人麻呂
1  54 巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲はな巨勢の春野を 坂門人足
1  64 葦辺行く鴨の羽交ひに霜降りて寒き夕は大和し思ほゆ 志貴皇子
1  74 み吉野の山のあらしの寒けくにはたや今夜も我が独り寝む 作者不明(或云文武天皇)
2  87 ありつつも君をば待たむうち靡く我が黒髪に霜の置くまでに 磐姫皇后
2  88 秋の田の穂の上に霧らふ朝霞いつへの方に我が恋やまむ 磐姫皇后
2  106 ふたり行けど行き過ぎかたき秋山をいかにか君がひとり越ゆらむ 大伯皇女
2  114 秋の田の穂向きの寄れる片寄りに君に寄りなな言痛くありとも 但馬皇女
2  133 笹の葉はみ山もさやにさやげども我れは妹思ふ別れ来ぬれば 柿本人麻呂
2  142 家にあれば笥に盛る飯を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る 有間皇子
2  184 東のたぎの御門に侍へど昨日も今日も召す言もなし 日並皇子宮の舎人
2  216 家に来て我が屋を見れば玉床の外に向きけり妹が木枕 柿本人麻呂
3  235 大君は 神にしませば 天雲の 雷の上に 廬りせるかも 柿本人麻呂
3  240 ひさかたの天行く月を網に刺し我が大君は蓋にせり 柿本人麻呂
3  251 淡路の野島が崎の浜風に妹が結びし紐吹き返す 柿本人麻呂
3  254 燈火の明石大門に入らむ日や漕ぎ別れなむ家のあたり見ず 柿本人麻呂
3  296 廬原の清見の崎の三保の浦のゆたけき見つつ物思ひもなし 田口益人
3  297 昼見れど飽かぬ田子の浦大君の命畏み夜見つるかも 田口益人
3  303 名ぐはしき印南の海の沖つ波千重に隠りぬ大和島根は 柿本人麻呂
3  320 富士の嶺に降り置く雪は六月の十五日に消ぬればその夜降りけり 高橋虫麻呂
3  328 あをによし奈良の都は咲く花のにほふがごとく今盛りなり 小野老
3  330 藤波の花は盛りになりにけり奈良の都を思ほすや君 大伴四縄
3  337 憶良らは今は罷らむ子泣くらむそれその母も我を待つらむぞ 山上憶良
3  369 物部の臣の壮士は大君の任けのまにまに聞くといふものぞ 作者不明(笠金村歌集)
3  425 川風の寒き泊瀬を嘆きつつ君が歩くに似る人も逢へや 山前王
3  433 葛飾の真間の入江にうち靡く玉藻刈りけむ手児名し思ほゆ 山部赤人
3  440 都なる荒れたる家にひとり寝ば旅にまさりて苦しかるべし 大伴旅人
4  488 君待つと我が恋ひ居れば我が宿の簾動かし秋の風吹く 額田王
4  496 み熊野の浦の浜木綿百重なす心は思へど直に逢はぬかも 柿本人麻呂
4  651 ひさかたの天の露霜置きにけり家なる人も待ち恋ひぬらむ 大伴坂上郎女
5  798 妹が見し楝の花は散りぬべしわが泣く涙いまだ干なくに 山上憶良
5  803 銀も金も玉も何せむにまされる宝子にしかめやも 山上憶良
5  822 我が園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも 大伴旅人
5  852 梅の花夢に語らくみやびたる花と我思ふ酒に浮かべこそ 大伴旅人か
6  919 若の浦に潮満ち来れば潟をなみ葦辺をさして鶴鳴き渡る 山部赤人
6  925 ぬばたまの夜の更けゆけば久木生ふる清き川原に千鳥しば鳴く 山部赤人
6  972 千万の軍なりとも言挙げせず取りて来ぬべき男とぞ思ふ 高橋虫麻呂
6  978 士やも空しくあるべき万代に語り継ぐべき名は立てずして 山上憶良
6  982 ぬばたまの夜霧の立ちておほほしく照れる月夜の見れば悲しさ 大伴坂上郎女
6  996 御民我れ生ける験あり天地の栄ゆる時にあへらく思へば 海犬養岡麻呂
6 1004 思ほえず来ましし君を佐保川のかはづ聞かせず帰しつるかも 作益人
7 1088 あしひきの山川の瀬の鳴るなへに弓月が岳に雲立ち渡る 柿本人麻呂歌集
7 1231 天霧らひひかた吹くらし水茎の岡の港に波立ちわたる 作者不明
7 1411 福のいかなる人か黒髪の白くなるまで妹が声を聞く 作者不明
8 1418 石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも 志貴皇子
8 1419 神奈備の磐瀬の社の呼子鳥いたくな鳴きそ我が恋増さる 鏡王女
8 1426 我が背子に見せむと思ひし梅の花それとも見えず雪の降れれば 山部赤人
8 1431 百済野の萩の古枝に春待つと居りしうぐひす鳴きにけむかも 山部赤人
8 1449 茅花抜く浅茅が原のつほすみれ今盛りなり我が恋ふらくは 大伴田村大嬢
8 1480 我が宿に月おし照れり霍公鳥心あれ今夜来鳴き響もせ 大伴書持
8 1499 言繁み君は来まさず霍公鳥汝れだに来鳴け朝戸開かむ 大伴四縄
8 1500 夏の野の繁みに咲ける姫百合の知らえぬ恋は苦しきものそ 大伴坂上郎女
8 1511 夕されば小倉の山に鳴く鹿は今夜は鳴かず寐ねにけらしも 舒明天皇
8 1513 今朝の朝明雁が音聞きつ春日山もみちにけらし我が心痛し 穂積皇子
8 1537 秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七種の花 [其一] 山上憶良
8 1552 夕月夜心もしのに白露の置くこの庭に蟋蟀鳴くも 湯原王
8 1554 大君の御笠の山の黄葉は今日の時雨に散りか過ぎなむ 大伴家持
8 1564 秋付けば尾花が上に置く露の消ぬべくも我は思ほゆるかも 日置長枝娘子
8 1571 春日野に時雨降る見ゆ明日よりは黄葉かざさむ高円の山 藤原八束
8 1617 秋萩に置きたる露の風吹きて落つる涙は留めかねつも 山口女王
8 1658 わが背子と二人見ませば幾許かこの降る雪の嬉しからまし 光明皇后
9 1714 落ち激ち流るる水の岩に触れ淀める淀に月の影見ゆ 作者不明
9 1756 かき霧らし雨の降る夜を霍公鳥鳴きて行くなりあはれその鳥 高橋虫麻呂
9 1791 旅人の宿りせむ野に霜降らば我が子羽ぐくめ天の鶴群 遣唐使の母
10 1821 春霞流るるなへに青柳の枝くひ持ちて鴬鳴くも 作者不明
10 1942 霍公鳥鳴く声聞くや卯の花の咲き散る岡に葛引く娘女 作者不明
10 1953 五月山卯の花月夜霍公鳥聞けども飽かずまた鳴かぬかも 作者不明
10 1966 風に散る花橘を袖に受けて君がみ跡と偲ひつるかも 作者不明
10 1969 我が宿の花橘は散りにけり悔しき時に逢へる君かも 作者不明
10 1982 ひぐらしは時と鳴けども恋しくにたわやめ我は定まらず泣く 作者不明
10 1983 人言は夏野の草の繁くとも妹と我れとし携はり寝ば 作者不明
10 1995 六月の地さへ裂けて照る日にも我が袖干めや君に逢はずして 作者不明
10 2013 天の川水陰草の秋風になびかふ見れば時は来にけり 柿本人麻呂歌集
10 2240 誰そ彼とわれをな問ひそ九月の露に濡れつつ君待つわれを 柿本人麻呂歌集
10 2264 こほろぎの待ち喜ぶる秋の夜を寝る験なし枕と我れは 作者不明
10 2298 君に恋ひ萎えうらぶれ我が居れば秋風吹きて月かたぶきぬ 作者不明
10 2314 巻向の檜原もいまだ雲居ねば小松が末ゆ沫雪流る 柿本人麻呂歌集
10 2315 あしひきの山道も知らず白橿の枝もとををに雪の降れれば 柿本人麻呂歌集
13 3317 馬買はば妹歩行ならむよしゑやし石は履むとも吾は二人行かむ 作者不明
14 3373 多摩川に曝す手作さらさらに何そこの児のここだ愛しき 東歌(武蔵)
14 3386 にほ鳥の葛飾早稲をにへすともその愛しきを外に立てめやも 東歌(下総)
14 3399 信濃道は今の墾道刈株に足踏ましなむ履着けわが背 東歌(信濃)
14 3400 信濃なる筑摩の川の細石も君し踏みてば玉と拾はむ 東歌(信濃)
14 3459 稲つけばかかる我が手を今夜もか殿の若子が取りて嘆かむ 東歌(未勘国)
14 3569 防人に立ちし朝明の金門出に手離れ惜しみ泣きし児らはも 東歌(未勘国)
16 3807 安積山影さへ見ゆる山の井の浅き心を我が思はなくに 風流娘子
18 4086 油火の光りに見ゆる吾がかづらさ百合の花の笑まはしきかも 大伴家持
18 4097 天皇の御代栄えむと東なる陸奥山に黄金花咲く 大伴家持
19 4200 多胡の浦の底さへにほふ藤波をかざして行かむ見ぬ人のため 内蔵縄麻呂
19 4262 唐国に行き足らはして帰り来むますら健男に御酒奉る 多治比鷹主
19 4284 新しき年の初めに思ふどちい群れて居れば嬉しくもあるか 道祖王
19 4291 我が宿のいささ群竹吹く風の音のかそけきこの夕かも 大伴家持
20 4322 わが妻はいたく恋ひらし飲む水に影さへ見えて世に忘られず 若倭部身麻呂/遠江防人
20 4328 大君の命畏み磯に触り海原渡る父母を置きて 丈部人麻呂/相模防人
20 4373 今日よりはかへりみなくて大君の醜の御楯と出で立つ我は 今奉部与曽布/下野防人

 いかがでしょうか?
 よく納得できる歌は勿論多いですが、あれこれ良い歌が入っていないようにも思います。

 何を削り、何を増やすのかはなかなか困難ですが、個人的に10増10減案を考えました。以下の通りです。

 追加案
1 21 紫草のにほへる妹を憎くあらば人妻ゆゑにわれ恋ひめやも 天武天皇
2 105 我が背子を大和へ遣るとさ夜更けて暁露に我れ立ち濡れし 大伯皇女
3 266 近江の海夕波千鳥汝が鳴けば心もしのにいにしへ思ほゆ 柿本人麻呂
3 318 田子の浦ゆうち出でて見れば真白にぞ富士の高嶺に雪は降りける 山部赤人
3 338 験なきものを思はずは一杯の濁れる酒を飲むべくあるらし 大伴旅人
8 1424 春の野にすみれ採みにと来しわれそ野をなつかしみ一夜寝にける 山部赤人
15 3724 君が行く道のながてを繰り畳ね焼きほろぼさむ天の火もがも 狭野弟上娘子
19 4139 春の園紅にほふ桃の花下照る道に出で立つ娘子 大伴家持
19 4292 うらうらに照れる春日にひばり上がり心悲しも独し思へば 大伴家持
20 4425 防人に行くは誰が背と問ふ人を見るがともしさ物思ひもせず 昔年防人妻

 削減案
3 425 川風の寒き泊瀬を嘆きつつ君が歩くに似る人も逢へや 山前王
6 1004 思ほえず来ましし君を佐保川のかはづ聞かせず帰しつるかも 作益人
7 1231 天霧らひひかた吹くらし水茎の岡の港に波立ちわたる 作者不明
8 1449 茅花抜く浅茅が原のつほすみれ今盛りなり我が恋ふらくは 大伴田村大嬢
8 1499 言繁み君は来まさず霍公鳥汝れだに来鳴け朝戸開かむ 大伴四縄
8 1554 大君の御笠の山の黄葉は今日の時雨に散りか過ぎなむ 大伴家持
8 1617 秋萩に置きたる露の風吹きて落つる涙は留めかねつも 山口女王
10 1942 霍公鳥鳴く声聞くや卯の花の咲き散る岡に葛引く娘女 作者不明
10 1953 五月山卯の花月夜霍公鳥聞けども飽かずまた鳴かぬかも 作者不明
10 2240 誰そ彼とわれをな問ひそ九月の露に濡れつつ君待つわれを 柿本人麻呂歌集

« オリヅルランに成長差 | トップページ | 昭和37年の忠臣蔵の吉右衛門 »

かるた」カテゴリの記事

万葉集」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« オリヅルランに成長差 | トップページ | 昭和37年の忠臣蔵の吉右衛門 »

2022年8月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

ウェブページ