尼崎本万葉集の複製を購入
尼崎本万葉集の複製を購入しました。
またまたネットオークションです。
箱に奥付が貼ってあります。
昭和7年刊行の、貴重図書影本刊行会の複製です。
中身。
解説の執筆者は澤瀉久孝氏です。
巻頭。
巻16の巻頭歌の題詞の途中から始まっています。冒頭部が少し失われてしまったのですね。
巻末。
巻末は巻16の最後まであります。
今まで尼崎本の複製は見たことがありませんでしたし、あまり関心もありませんでした。
この本は、平安時代末期から鎌倉時代初期くらいに書写された次点本です。
貴重な本なのに、あまり関心を引かなかったのは、残っているのがこの巻16の大部分と、あとは巻12の断簡だけということが理由と思います。
万葉集の演習では、学生たちに校本万葉集で本文異同を調べてもらい、必要であれば写本の複製も見てもらうようにしていますが、巻16は扱ったことがありませんでした。
箱の内側にこういうものが貼ってありました。
梅に鴬ですね。
なんでしょ? 蔵書票のようなものでしょうか?
この本は、「日本の古本屋」に何点かありました。それよりもだいぶ安く購入でき、喜んでいます。
ただ、アマゾンなどのせいで、書店が大きな影響を蒙っていますが、ネットオークションのせいで古書店に影響が出るのは申し訳ない気がします。
とはいえ……ですねぇ。
先日は、古葉略類聚抄を落札し損ね、今回は尼崎本を落札しましたが、別に、万葉集の複製を集め始めたわけではありません。
たまたまです。
持っていない本がたまたまネットオークションで安く買えそうになったので、入札しました。
そういう買い方をしているので、本がバイ菌のように増えます。
死蔵しないようにしたく思いますが、さて。
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先日の古葉略類聚抄といい今回の尼崎本と言いこんなのの複製がこんなふうに流通するんですね。
こんな感じで古書の情報が手軽に入ってくるなんて(値段はとても「手軽」とは言えませんが)…以前はこまめに古書店を回ってなんぼって感じでしたからね。
投稿: 三友亭主人 | 2021年11月22日 (月) 21時03分
三友亭主人さん
コメントをありがとうございます。
本当にそうですね。
古書は、ネットの「日本の古本屋」で、そしてネットオークションで、居ながらにして買えるようになりましたものね。
昔は思いもよらない世界ですよね。
その昔、神保町の古書店を歩いて回った日が嘘のようです。
それでも、古本屋巡りをすれば、「あ、こんな本が」という副産物がありましたから、それも楽しく、有意義ではあったのですが。
ネットオークションでは、思いがけなく安く手に入ることもあり、やめられません。(^_^)
投稿: 玉村の源さん | 2021年11月22日 (月) 22時04分