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2021年10月 8日 (金)

諸国産物見立評判番付

 このようなものを入手しました。
Sanbutsu01
 右上に名称が書いてあります。「諸国産物見立評判」ということで、ちょっと長いです。
 昨日の繁華の地の番付と、大きさも形式もよく似ていますので、同じ版元のものかと思います。

 東西は、東が飲食物、西がそれ以外の産物になっています。

 右上、東方上部の拡大。
Sanbutsu02
 東の大関は山城の宇治茶です。納得。
 その先には、土左の鰹節、薩摩の国分煙草、江戸の浅草海苔、紀州のみかんなどがあります。
 今に続く錚々たるメンバーですね。
 播州の赤穂塩も前頭2枚目にあります。
 2段目に松前の数の子があります。北海道ですけど、奥州になっています。
 その隣、吉野葛が山城というのは納得できませんねぇ。大和ですよね。
 左端の三輪素麺はちゃんと大和になっています。
 左から4つ目は甲州ブドウでしょうね。江戸時代からもう栽培していたのですね。

 左上、西方上部の拡大。
Sanbutsu03
 西の大関は上州の織物でした。
 確かに、桐生や伊勢崎の織物は有名ですけど、まさかトップとは。
 その隣、関脇に江戸の錦絵がありますね。有名だったのですね。
 あとは、越後の縮、越前奉書、博多織、結城紬、出羽紅花、八丈縞、阿波の藍など、これまた今に続く有名どころが並んでいます。
 左から2つ目に奈良晒がありますけど、ここでもまた、山城ですね。
 東でも西でも奈良はコケにされているような。

 2段目、伊吹のモグサがあります。尾張の焼物というのは瀬戸物ですね。

 中央上部には、行司と年寄。
Sanbutsu04
 行司の中央には大きな文字で京都の扇です。

 中央下部には、世話役と、勧進元、差添。
Sanbutsu05
 世話役の上段中央はオットセイですね。これも北海道ですね。
 勧進元と差添は、伊丹の酒と京織物です。

 3段目以下は字が細かいので、読むのが大変ですけど、何か面白いものがありましたら、また。

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コメント

たしかに吉野葛・奈良晒が山城ってのは納得がいきませんね。
三輪素麵がヤマトなのに…

単なる情報不足なのか?それとも…

例えば東北は出羽と奥州のみの区分け。もっと細かく陸中陸前とかの区分けもできたでしょうに…

三友亭主人さん

 コメントをありがとうございます。

 大和に失礼ですよね。
 この番付を作ったのは江戸の業者なのでしょうかね。それでよく分からなかったとか。
 あるいは、原材料等は大和でも、最終的な加工地は京都の業者などということはないのでしょうね。

 陸奥と出羽を細分化したのは明治初年のようですので、江戸時代には、陸奥・出羽とするしかなかったと思います。

>陸奥と出羽を細分化したのは明治初年

そうでしたか、勉強不足なもんで・・・(^-^;
お教えいただきありがとうございます。

三友亭主人さん

 いえいえ。
 古語辞典や国語便覧に掲載されている旧国地図には、陸奥と出羽をそれぞれ分割してあるのは不要とかねがね思っていました。

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