戦前の「奈良名勝道しるべ」
ネットオークションで、このようなものを入手しました。
右端に「奈良名勝道しるべ」とあります。
左側には「きくや旅館」「別館大阪屋旅館」とあります。
この旅館が作成したものですね。
地図の左端。
旅館は2館とも奈良駅の近くです。
以前、たまたま入手した道中記といいますか、定宿帳といいますか、そういうものに興味を持って、収集しています。
江戸時代から明治時代にかけてのそういった文献では、奈良の旅館は猿沢池の付近に集まっていました。
やがて鉄道の駅ができたことで、省線の奈良駅の近くにも旅館が増えてきたのかもしれません。
この地図には算用数字が書かれています。それは、この旅館から、春日大社へ、そこから北に進んで、若草山から、東大寺、奈良博、興福寺を経て、旅館または奈良駅までの順路です。
やや東側の拡大図。
中央附近やや下に「商工館」とあります。
この施設が商工館という名称になったのは昭和9年ですので、この案内図は昭和9年以降のものということになります。
しかし、このようなペラッとした1枚紙がよくぞ保存されていたものです。
そして、それを売る人と買う人(私です)がいる。
失くしたり、破いたりしないように気を付けます。
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東大寺の南大門の辺りに「運動場」とあるのが「あれ、こんなところにそんなのがあったんだなあ」と思い、ちょいと調べてみたら、例のシルクロード博の前まではあったのだそうで…つい最近じゃあないか…と驚きました。その頃ならばもう奈良に居てしばしばそのあたりも歩いていたはずなのですが…
…人の記憶とはあてになりませんねえ。
投稿: 三友亭主人 | 2021年10月 7日 (木) 18時20分
三友亭主人さん
コメントをありがとうございます。
地図、関心を持ってくださってありがとうございます。
運動場、随分長くあったのですね。
気づかなかったというのは、あまり目立たない存在だったのでしょうかね。
あるいは、東大寺などの方に気を取られていたとか。
私だったら、鹿に目を取られてしまいそうです。
投稿: 玉村の源さん | 2021年10月 7日 (木) 18時46分