諸国繁華の地の番付
このようなものを入手しました。
右上に「諸国はんくわの地道のり案内」とあります。
文字が小さいので、部分的に拡大します。
右上東方。
東の大関は尾張名古屋です。なんか納得。
全体的に錚々たる大名の城下町が並んでいます。
最上段の例外は左端の新潟くらいでしょうか。
「潟」が異体字ですね。
今と表記が異なるものに、2段目の弘前、酒田、宇都宮などがあります。
鶴岡が鶴ヶ岡となっています。
左上西方。
西の大関は肥後熊本です。これも納得。
こちらも、やはり錚々たる城下町が多いです。
左端の長崎は城下町ではないですね。
2段目、右から5つ目の「備中倉布」は「くらしき」と読むのでしょうね。
中央上部には、行司と世話役があります。
行司の中には奈良があります。♪
世話役は全て港ですね。幕末に開港された港も並んでいます。
中央下部には、勧進元と差添。
勧進元中央の「三箇之津」って?
ネットの「精選版日本国語大辞典」には以下のようにあります。
① 昔、筑前の博多津、薩摩の坊津、伊勢の安濃津の総称。安濃津に代えて和泉の堺津をいうこともある。
※和訓栞(1777‐1862)「三箇の津といふも坊の津、博多の津、安濃の津をいふ」
② 江戸時代の京、大坂、江戸の三都。さんがつ。
※浮世草子・日本永代蔵(1688)六「人のすみかも三ケ(さんガ)の津に極まれり」
③ 京、大坂、堺の総称。
※摂陽群談(1701)六「世俗、京・大坂・堺を指て、三箇の津と称す」
番付の全体を見回すと、博多や堺はありますが、江戸、京、大坂は見当たりませんので、ここは②の意味のようです。
確かにその三都は別格という気がします。
その左右の伊勢山田は伊勢神宮、山城伏見は伏見稲荷ですかね。
伊勢神宮に対応するのは出雲大社のような気もしますが。
差添の左右には上州草津と摂州有馬。
温泉ですね。この2つの温泉は、温泉番付では東西の大関を張っていることが多いです。
3段目以下も興味がありますが、字が細かいし、くずしてあるので、読むのがちょっと面倒です。
でも、何か面白いものが見つかったらまたご報告するかもしれません。
« 増えるうさぎ | トップページ | 諸国産物見立評判番付 »
コメント