昭和33年の『別冊近代映画』臨時増刊は忠臣蔵特集
ネットオークションで、標題のような雑誌を買いました。
表紙は、昭和33年の大映の「忠臣蔵」です。
大石内蔵助は長谷川一夫。向かって左側には岡野金右衛門の鶴田浩二がいます。
この雑誌、忠臣蔵特集ということでしたので、様々な忠臣蔵映画が取り上げられているのかと思いましたが、手に取ってみると、そうではなくて、表紙の大映「忠臣蔵」の特集なのでした。
140ページほどが丸ごとこの「忠臣蔵」でした。
写真多数。座談会、対談、撮影日記、出演俳優の近況報告、シナリオ抄などなど、充実した内容です。
巻頭の見開きカラーページ。
市川雷蔵の浅野内匠頭と、山本富士子の瑶泉院です。
カラーはこのページと表紙だけで、あとは全てモノクロです。
まだカラー印刷は高かったのでしょうかね。
表紙の一番下に「オール・スタア」とあります。
今なら「スター」ですね。というか、今は「映画スター」という言葉も見なくなりました。
「スタアの近況報告」のページから。
見出しに、「二貫匁の頭」とあります。
カツラの重さが尺貫法で書かれています。
パーティーの1場面。
長谷川一夫と中村玉緒。右側には鶴田浩二がいます。
中村玉緒、若いです。
巻末にはシナリオ抄が載っています。そのラストシーン。
美文調です。
このように、泉岳寺に向かう浪士達を、瑶泉院は閉ざした駕籠の中から見送り、浪士達が通り過ぎてから戸田の局が駕籠の戸を開けると書かれています。
以前、当ブログにも書いたことですが、実際の映画では、瑶泉院ははじめから駕籠を出て浪士達を出迎え、浪士達が通り過ぎたあと、雪の上にくずおれてしまいます。
この方がより感動的になるという判断で、そのように変更したのですね。
実際、感動的なラストシーンでした。
あとから冷静に考えたら、このようなことはあり得ないことですが、3時間近く映画を見て来てのラストシーンはやはり冷静に見てはいられないということなのでしょう。(^_^;
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