記紀の冒頭に登場する神々
必要があって、記紀の冒頭に登場する神々を一覧表にしてみました。
神名の前に付いている数字は「神世七代」の順番です。
また、日本書紀の方で、神名の後ろに付いている数字は一書の順番です。
たとえば、可美葦牙彦舅尊の後ろにある「一の236」は、「第一段の第2の一書、第3の一書、第6の一書」の意です。
これを見て考えるに、単純に多数決では決められないにしても、クニノトコタチ、クニノサヅチ、トヨクモノという3神を最初の神とする伝承が古いのではないでしょうか。
そして、その前にウマシアシカビヒコヂとアメノトコタチとを置く伝承が現れ、さらに、アメノミナカヌシ等の造化三神を置く伝承が現れた。
古事記はその姿を反映していると見ることができる。
神世七代については、古事記は、日本書紀の第二段の元になった伝承(3神+2神×4組)と、第三段の元になった伝承(同じく3神+2神×4組だけれども出入りがある)とを合体させたもの(2神+2神×5組)と見ることができます。
その際、古事記ではクニノサヅチが邪魔になったので、これは除外した。
ただ、除外したクニノサヅチは、神生みの段の所で、アメノサヅチとセットにして、オホヤマツミとノヅチとが山野に持ち別きて生んだ神の部分に登場させた。
きれいな結論と思いますが、どうでしょうか。
既にどなたかが同様のことを論文にしているかもしれません。
探してみなければと思っています。
« サプリはたしなむ程度に | トップページ | 『万葉異説〔増補版〕』間宮厚司氏 »
「研究」カテゴリの記事
- 奈良県三郷町で萬葉学会(2)(2022.10.16)
- 奈良県三郷町で萬葉学会(1)(2022.10.15)
- 昭和53年の稲荷山古墳(2022.05.31)
- 上代文学会賞は葛西太一氏(2022.05.21)
- 「いすくはし くぢらさやる」&金魚4態(2021.11.13)
「古事記」カテゴリの記事
- 『大美和』最新号に菅野先生(2022.12.15)
- 『国語と国文学』最新号は上代特集(2022.10.25)
- アニメ『いなばの白うさぎ』の台本(2022.09.04)
- 飯泉健司氏『古事記全講義』(武蔵野書院)(2022.06.30)
- 古事記学会終了&日本武尊の絵本(2022.06.19)
何か面白そうなことやってますねえ・・・
確かに日本書紀で国常立から始まっているのは???ですよね。
そうなると安万侶さん(稗田阿礼さん?天武天皇?)は、なぜその前の神様を登場させたのか、興味深いですね。
・・・なにか企んでいらっしゃいますか(笑)
投稿: 三友亭主人 | 2021年9月 7日 (火) 10時06分
三友亭主人さん
コメントをありがとうございます。
面白いです。(^_^)
かねてから、古事記上巻は神話の集大成を図ったものという風に考えていますけど、この冒頭部についてもそれが言えそうに思います。
何か企んでいるって、人聞きの悪い。(^_^)
いえ、ちゃんとまとまれば論文にしようかとは思っていますけど、同じようなことを書いた先行研究があるかどうか、それを調べないといけません。
投稿: 玉村の源さん | 2021年9月 7日 (火) 15時36分