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2021年7月16日 (金)

国芳描く大星力弥の画像に2種類

 昨日、四十七士錦絵スタンプや忠臣蔵ようかんの元絵は、一勇斎国芳の錦絵であることを述べました。
 実は、その折の国芳の画像というのは、国芳の画像そのものではなく、頂き物の忠臣蔵トランプによるものでした。
 いわば、孫引きです。
 学生さんには、孫引きはいけないなどと言いながら、つい手抜きをしてしまいました。
 いえ、このトランプ、以前ブログに載せるときにスキャンした画像がありましたので、それを使えば簡単と思いました。
 あとから反省して、国芳の画像を見てみました。

 大石内蔵助の錦絵。
Chu_stamp16

 トランプの画像。
Chu_stamp13
 一緒ですね。

 大石主税の錦絵。
Chu_stamp17

 トランプの画像。
Chu_stamp14
 全く異なります。

 トランプの画像は、スタンプやようかんと一緒ですので、元絵であるはずの国芳の錦絵だけが異なります。

 国芳の錦絵を見てみますと、「再板」とありました。
Chu_stamp18

 とすると、これは推測ではありますが、スタンプやようかんの画像は国芳の初板を元絵にしたのではないかと思います。

 国芳はなぜ、大幅に異なる再板を描いたのか。

 これまた推測になりますが、初板の力弥は座っている姿です。
 槍や装束に血は付いていませんので、奮戦の後に休息を取っているわけではなく、まだ討入り前なのでしょう。
 他の浪士達の姿には戦っているものも多い中で、一番若い主税が座っているというのはまずいと国芳が考えたのかもしれません。

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