明治4年の『ちゑのいとぐち』(1)
このような本を入手しました。書名は『ちゑのいとぐち』です。
最初のページ。
表紙見返しにある様に、明治4年に刊行されたもので、著者は古川正雄です。
表紙にも「FURKAWA」の文字があります。
左ページにありますように、同じ著者による『チヱノワ』の姉妹編に当たります。
『チヱノワ』も、かつて1冊だけ入手済みで、当ブログでも2014年にご紹介していました。
その見返しです。
その折に、古川正雄は福沢諭吉の弟子である旨、コメントで源さんの後輩さんからご教示頂きました。
今回の『ちゑのいとぐち』のはしがきに「をさなき まなこ に ほんよむ くせ を つけ たまへ かし」とあるのは良いですね。
次のページ。
いろはが列挙されています。
このあとに濁音、半濁音、そしてカタカナが続きます。
続いて、次のようなページです。
「ひと よみきり」「ふた よみきり」というのは、第一節、第二節といった意味です。
「い」で始まる2音節語、「ろ」で始まる2音節語、という順で、「す」で始まる2音節語に至ります。
それに続くページ。
ここには、単語が類別に挿絵付きで並んでいます。
このようなページもあります。
「きせる」や「たばこいれ」は幼い子には縁のないものでしょうが、当時は、少なからぬ家にあったかもしれませんね。それで載っているのかもしれません。
語形としては、「てのごひ」「あんどう」が興味深いです。
これらの挿絵付きのページの後はこういうページです。
一人称代名詞、二人称代名詞、こそあどが並んでいます。
その次。
「わたくしの ほん」「あなた の ごほん」「おまへ の ほん」「あのひと の ふで」……などなど、常体・敬体が並びます。
この本、まだ興味深い内容がありますので、明日かどうかは分かりませんが、続きます。
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