奈良印判屋の地図
このようなものを入手しました。
奈良の旅館、印判屋の地図です。
地図部分。
左下部分のアップ。
この旅館は猿沢池の西に位置します。
「御注意」として、次のようにあります。
「近頃停車場や電車停留所附近で弊館の御出迎と偽り口実を構へて
彼等の都合のよい他家へご案内申し不正の利得を貪る者がありますから
何卒御油断ない様願います」という注意書きがあります。
なかなか油断ならない世の中だったのですね。
印判屋は、明治31年の定宿帳に載っています。
上に三笠山がありますので、上が東になります。
印判屋はまさに猿沢池の西に当たります。
明治30年前後に神戸で発行された地図にも載っています。左端、中央やや下です。
印判屋は有名な旅館だったようで、上方落語の「東の旅」に次のような部分があります。
「奈良には印判屋庄右衛門、小刀屋善助という二軒の大きな旅篭がございます。
幾日逗留いたしましても、夜具と家具とが変わるのがここの自慢やそうでございます。
それだけ大きい宿屋さんやったんでございます。」
今の地図を見ると、印判屋は天平ホテルの位置に当たります。
印判屋が天平ホテルになったのか、印判屋の跡地に天平ホテルができたのか、今のところ不明です。
地図の裏側は名所案内になっています。
字が小さすぎますね。
冒頭部。
末尾。
いつ頃作られたものか、分かりません。
少し検討してみようと思います。
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