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2021年4月 2日 (金)

「得鳥羽月」効果

 昨日、当ブログの閲覧数が日頃の4倍ほどになってびっくりしました。
 原因はこれです。
Etoriha
 愛好しているスマホゲーム(ゲームなのかなぁ?)「ねこあつめ」の「今日のあいことば」が「得鳥羽月」でした。
 この語は旧暦4月の異称だそうで、それで4月1日(旧暦ではありませんけど)の昨日の合言葉にしたのでしょう。

 去年も4月1日の合言葉は同じでした。
 「得鳥羽月」という語は見たこともなかったので、日国で調べて、ブログに「得鳥羽月」というタイトルで取り上げました。
 今年も4月1日の合言葉は同じでしたので、それを見てググった方々が、ヒットした当ブログを訪れてくださったものと思われます。

 さて、その「得鳥羽月」ですが、日国には2ヶ所に出てきます。

 >えとりは‐の‐つき 【得鳥羽月】〔名〕陰暦四月の異名。
 > *蔵玉集〔室町〕「藤の花夏にかかれる奥山の下にや待たんえとりはの月」
 > *俳諧・哥林鋸屑集〔1660〕「四月。〈略〉得鳥羽(ヱトリハノ)月」

 >とことば‐の‐つき 【得鳥羽月】〔名〕(「ば」の清濁については不明)陰暦四月の異称。えとりはのつき。《季・夏》
 > *俳諧・俳諧新式〔1698〕夏の詞よせ・四月「う月 うのはな月 とことはの月 はな残り月」
 >補注
 > 「俳諧・増山の井」に「卯月 卯の花月 得鳥羽の月 花残りの月」とあるが、読み方は不明。

 表記は同じで、読みが異なります。
 どちらかが本来の読みで、一方は文字に引かれて生じた誤用ということなのでしょう。
 用例を見ると、「えとりはのつき」の方は室町時代の用例と1660年の用例とが挙がっています。
 もう一方の「とことばのつき」の方は1698年のものが最古の例です。

 今知られている例からは、「えとりはのつき」の方が本来の読みと思われます。
 意味は分かりませんが、鳥の羽根が抜けやすい時期なのでしょうか。それで、鳥の羽根を得やすい月、といった事なのかと思います。
 鳥の羽根というのは、矢羽根に使うような鷲や鷹の羽根でしょうか。

 一方の「とことばのつき」の方は、「得鳥羽月」という四文字の中で、「鳥羽」に目が行って、これを「とば」と読んで、前の「得」を音で「とく」と読み、「とくとば」。「く」は前後の母音oに引きずられて「とことば」に変わったものかもしれません。
 tokutoba→tokotoba

 来年の4月1日も同じ合言葉だと、来年はこのページが多くの方々にアクセスされることでしょう。
 ↑
 アクセスした方がこんな文を読まされたら、イヤかもしれません。(^_^;

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コメント

>「得鳥羽月」という語は見たこともなかったので

私も全く見たことがありませんでした。月の異名といえば、例の「むつき・きさらぎ・・・・」ってやつぐらいで、ほかには中国風の言い回しをほんの少々知ってるだけでしたからねえ。それでちょいと調べてみたら、次のような表が見つかりまして

http://www5a.biglobe.ne.jp/~to-iwata/tuki_sita.htm

たくさんありますねえ。

私には覚えきれません(笑)

三友亭主人さん

 コメントをありがとうございます。
 また、月の異名の一覧表をありがとうございます。
 本当にいっぱいありますねぇ。
 月の異名がどうしてこんなにたくさん作られたのか、興味があります。

 4月のところを見ると、「得鳥羽月」も載っていますね。
 読みは「えとりはのつき」と「えとりはづき」はありますが、「とことばのつき」はありませんね。
 ちょっと意を強くしました。

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