角川選書『万葉集の基礎知識』
昨日、渋川から帰宅したら、注文していた本が届いていました。
4月23日刊行のホヤホヤです。
この本のことはツイッターで知りました。あれこれ役に立つことの多いツイッター。
カバーの裏に、簡単な目次が載っています。
また、この本の内容についてこのようにまとめてあります。
これでも分かりますが、上野先生の「はじめに」に、以下のようにあります。
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本書が手本としているものは、
桜井満編『必携万葉集要覧』(桜楓社、一九七六年)
稲岡耕二編『別冊國文學・万葉集事典』(學燈社、一九九四年)
坂本信幸・毛利正守編『万葉事始』(和泉書院、一九九五年)
などである。これらの本は、今でも入門書としての輝きを失ってはいない。一読をお勧めしたい。一方、本書は、これらの本を手本としながらも、やや読み物風に書いてもらった。三書は、大学に入学し、『万葉集』で卒業論文を書こうとする人々を念頭に企画されたものだが、対する本書は、それよりも広い読者を想定しているからである。以上が、本書の設計思想である。
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このような趣旨で書かれたことがよく伝わってきます。まさに、こういう内容の本です。
全部で453ページ。厚さ2cmを優に超える分量です。
執筆者は以下の方々です。
浅田 徹、井上さやか、井上 幸、井ノロ史、大石真由香、大浦誠士、大島武宙、
太田真理、大館真晴、岡田高志、小鹿野亮、小田芳寿、尾山 慎、垣見修司、
影山尚之、具 廷鎬、倉持長子、阪口由佳、新沢典子、菅波正人、鈴木健一、
鈴木 喬、鈴木崇大、鈴木宏子、高松寿夫、瀧口 翠、田中大士、月岡道晴、
東城敏毅、土佐秀里、中川明日佳、仲谷健太郎、西 一夫、廣川晶輝、松田 聡、
森 陽香、山田隆文、吉岡真由美、渡邉 卓
付録地図は全部で13枚あります。いずれも、地名などは必要最小限に絞ったシンプルな作りで、分かりやすいです。
ただ、越中国の地図がありません。能登半島を含む越中の地図は是非載せてもらいたかったことで、それが残念です。
ということはありますが、お薦めの本です。
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>坂本信幸・毛利正守編『万葉事始』(和泉書院、一九九五年)
私は最初この部分を見たときに、一瞬「一九九五年」??と思ったのですが、私の勘違いでした。
私の頭の中では「万葉事始」は、私の大学の時分に出版された
大森亮尚先生 坂本信幸先生 毛利正守先生 渡辺 護先生編のものだったんですが、
手元にあるものを見返してみたら、そっちは「万葉みちしるべ」でした。
稲岡先生の「別冊國文学」のものも一瞬?となって、あああれは「万葉集必携」だなんて思い出して・・・
かかわった方が一緒だと、ついつい勘違いしてしまいます。
それにしても、このような種の書籍が定期的に出版されると、私たちのように普段はあんまり勉強していない人間にとって、その時々の情勢が簡単にわかってうれしいですね。
投稿: 三友亭主人 | 2021年4月29日 (木) 09時10分
三友亭主人さん
コメントをありがとうございます。
そうですね。
勘違いするほど、昔は、こういった必携・辞書・ハンドブック的なものがいろいろ刊行されていたのですよね。
町の普通の本屋さんにも、『国文学 解釈と鑑賞』『国文学 解釈と教材の研究』の両誌は毎月並んでいましたし、別冊国文学もあれこれ刊行されましたよね。
良き時代でした。
今回、そういった雑誌の内容を範とした、そして最新の研究成果や、学問動向を反映したものが刊行されることは大変にありがたいことですね。
投稿: 玉村の源さん | 2021年4月29日 (木) 14時18分