今日は柿本人麻呂忌だそうで
3月18日は人麻呂忌だそうで、季語として歳時記にも載っているようです。
上代文献による限りは、人麻呂の没年も忌日も記載したものは皆無ですから、3月18日を忌日とするのは、中古か中世、あるいは近世になってから言われ始めたことなのでしょう。
この日は小野小町の忌日でもあるそうです。小町も没年は分かっていませんし、忌日も不明です。
人麻呂、小町という没年不明の2人に同じ忌日が与えられているというのは、どういうことでしょうね。
ひょっとしたら、両者はセットか、あるいは一方がもう一方を真似たとか。
何度かご披露している明治10年の年代記に「古人物年代」という項目があって、そこにはこうあります。
人麻呂は上段中央付近にあり、死去の年月日は「神亀元年三月十八日」とされています。
少なくとも、明治10年には人麻呂の忌日を3月18日とする説のあったことが分かります。
現在、人麻呂は平城遷都(710年)以前に没したと考えられていますので、神亀元年(724年)は、それよりもだいぶ後の年号です。
上記の表の左下には小野小町がありますが、没年は「承和ノ比」とあるばかりで、月日の記載はありません。
小町の忌日が3月18日とされるようになった時期は明治10年以後なのかもしれませんし、この年代記の著者が3月18日説を知らなかっただけかもしれません。
あれこれ興味深いので、引き続き調査・検討して行きたいと思います。
しかし、人麻呂とは全く無関係に入手した明治10年の年代記がこんな風に関わってくるとは。
世の中、何がどこでどう繋がるか分からないものです。おもしろいです。
« 『トランヴェール』最新号は渋沢栄一 | トップページ | 柿本人麻呂の忌日について »
「万葉集」カテゴリの記事
- 『トランヴェール』最新号の特集は「筑波山、万葉恋の話」(2024.11.07)
- 新町公民館で万葉集講座&ぐんまちゃんマスク(2024.11.06)
- 新町公民館で万葉集講座(2024.10.23)
- 東大で萬葉学会&東大構内のハチ公像(2024.10.13)
- NHKカルチャーセンター前橋教室(2024.09.27)
「史料・資料」カテゴリの記事
- 長音表記&リンコルン(2025.01.14)
- 広瀬中佐の評価は(2024.11.24)
- 老農船津伝次平(2024.11.23)
- ちりめん本『俵藤太』と『稲羽の白兎』(2024.11.05)
- 明治20年ちりめん本の『俵藤太』(2024.11.03)
「歴史」カテゴリの記事
- 『ならら』最新号の特集は「昭和100年」(2024.12.28)
- 『光る君へ ART BOOK』(2024.12.16)
- 『光る君へメモリアルブック』(2024.12.13)
- 萩松陰神社の絵はがきに(2024.12.08)
- 萩の松陰神社のクラウドファンディング(2024.12.07)
コメント