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2021年3月18日 (木)

今日は柿本人麻呂忌だそうで

 3月18日は人麻呂忌だそうで、季語として歳時記にも載っているようです。
 上代文献による限りは、人麻呂の没年も忌日も記載したものは皆無ですから、3月18日を忌日とするのは、中古か中世、あるいは近世になってから言われ始めたことなのでしょう。

 この日は小野小町の忌日でもあるそうです。小町も没年は分かっていませんし、忌日も不明です。

 人麻呂、小町という没年不明の2人に同じ忌日が与えられているというのは、どういうことでしょうね。
 ひょっとしたら、両者はセットか、あるいは一方がもう一方を真似たとか。

 何度かご披露している明治10年の年代記に「古人物年代」という項目があって、そこにはこうあります。
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 人麻呂は上段中央付近にあり、死去の年月日は「神亀元年三月十八日」とされています。
 少なくとも、明治10年には人麻呂の忌日を3月18日とする説のあったことが分かります。
 現在、人麻呂は平城遷都(710年)以前に没したと考えられていますので、神亀元年(724年)は、それよりもだいぶ後の年号です。

 上記の表の左下には小野小町がありますが、没年は「承和ノ比」とあるばかりで、月日の記載はありません。
 小町の忌日が3月18日とされるようになった時期は明治10年以後なのかもしれませんし、この年代記の著者が3月18日説を知らなかっただけかもしれません。

 あれこれ興味深いので、引き続き調査・検討して行きたいと思います。

 しかし、人麻呂とは全く無関係に入手した明治10年の年代記がこんな風に関わってくるとは。
 世の中、何がどこでどう繋がるか分からないものです。おもしろいです。

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