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2021年2月18日 (木)

明治10年の『新撰年代記』(7)外国の都市名

 度々載せている明治10年『新撰年代記』の第7弾です。
 前回ご紹介した(6)では、外国の国名を取り上げました。
M10nendaiki23
 それぞれの国の項目の中に「都府」というのがあります。都市のことですね。
 各国の主要都市が漢字で列挙されています。1国につき、1~3都市です。

 これまたリストアップしてみました。

  倫敦、ロンドン/イギリス
  哥拉斯哥、グラスゴー/イギリス
  都伯林、ダブリン/イギリス
  百爾霊、ベルリン/プロシア
  斯徳哥爾摩、ストツクホルム/スエーデン
  其利斯的那、キリスチアナ/ベルギー
  不?捨拉斯、フリムウセルス/ベルギー
  力士門、リスボン/ポルトガル
  加義羅、カイロー/エジプト
  里約熱内霊、リヲデジヤネロ/ブラジル
  北京、ペキン/シナ
  南京、ナンキン/シナ
  定海、シヤャンハイ/シナ
  巴黎斯、パリス/フランス
  馬耳塞里亜、マルセール/フランス
  里昂、リヨン/フランス
  維也納、ウインナ/オーストリア
  可品哈肯、コツペンヘーケン/デンマーク
  伯爾尼、ベルジ/スイス
  雅典、アデンス/ギリシャ
  華盛頓、ワシントン/アメリカ合衆国
  紐句爾、ニユヨルク/アメリカ合衆国
  費拉地費、フイラトルフイヤ/アメリカ合衆国
  散地牙峩、サンチカコ/チリ
  徳墨蘭、テヘラン/ペルシャ
  彼得羅堡、セントピートルスブルク/ロシア
  墨斯科、モスコー/ロシア
  仏羅稜薩、フロレンス/イタリア
  羅馬、(ルビなし)/イタリア
  海牙、ベーク/オランダ
  安時堤、アムステルダム/オランダ
  馬徳里地、マトリツト/イスパニア
  墨西哥、メキシコ/メキシコ
  利馬、リマ/ペルー

 全部で34都市です。/のあとに国名を記しました。

 こちらにも普段は使わないような文字が結構出てきます。
 昨日のブログに書いた、集中講義を履修している中国からの留学生に聞いてみました。
 以下の都市名が今も同じ表記だそうです。

 倫敦(ロンドン)、都伯林(ダブリン)、斯徳哥爾摩(ストックホルム)、加義羅(カイロ)、里約熱内霊(リオデジャネイロ)、
 里昂(リヨン)、維也納(ウイン)、雅典(アテネ)、華盛頓(ワシントン)、彼得羅堡(セントペテルスブルク)、
 墨斯科(モスコー)、羅馬(ローマ)、墨西哥(メキシコ)

 この明治10年の年代記では、都市のことを「都府」と称しています。

 以前、当ブログで『万国地誌略』という資料をご紹介しました。これまた明治10年の刊行です。
 そこにこういうページがあります。
M10bankokuchishiryaku08
 アジアの地図です。右上隅に小さな○印があり、「都府又港」とあります。
 明治10年の頃、都市のことは「都府」と呼ぶことが一般的だったのかもしれません。

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