明治10年の『新撰年代記』(1)
ネットオークションで買いました。
お経本のような折り本形式で、表裏両面に印刷されています。
大きさもお経本ほどで、横幅はちょうど手で掴めるほどです。
冒頭はこのようになっています。
「皇国漢土西洋年暦」という角書きがあります。
奥付。
明治10年に大阪で刊行されたものです。
この本のメインは1年1マスの年表です。
年表部の冒頭はこのようになっています。
小さいので、一部分をアップにします。
大化元年から始まっています。
大化の下に、「乙巳」という干支が記されています。
2行目には「孝徳」という天皇名と、「六月即位」。
3行目には「年号始ル」。
4行目には「唐太宗貞観十九/西洋紀元六百四十五」とあります。
このような形式で、1年1マスで、明治10年に至ります。
1行が6マスなので、2行後の同じ位置に同じ十二支が来ます。
年表部の末尾。
これも一部分をアップにします。
記事が印刷してあるのは明治10年までですね。
まだ余白がありますので、数年間は持ち主が自分で記入できます。
実際に明治11年、12年には「コレラ病流行」「琉球藩ヲ廃シ縣トナス」などの記載があります。
また、明治23年のマスには、「諸国コレラ病流行」「インフルベンザ同」とあります。
この時代もしばしば疫病が流行していたのですね。人ごととは思えません。
「インフルベンザ」という語形、興味深いです。
この本、メインはこの年表ですが、他に、歴代天皇一覧、山、海、温泉の一覧などなど、歴史・地理関係の項目が満載です。
それらもまた追々ご紹介します。
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