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2020年11月30日 (月)

生きていた油坂池

 「奈良名勝案内図」という地図の異版を集めています。
 今のところ、大正8年版から昭和8年版まで集まりました。
 最近、昭和18年版を入手しました。
S18narameishou
 この版は戦争中のものですので、紙質はあまり良くありません。

 別の版と比較すると、なかなか興味深いですが、国鉄(当時は「省線」でしょうか)奈良駅の北東に位置する油坂池に注目しました。

 昭和3年1月版。
Aburasaka01

 同年8月版。
Aburasaka02
 1月版と比べて、8月版では、油坂池の西側が小さくなっています。埋め立てられたのでしょうか。
 他には、東の開化天皇陵の堀の形が異なります。

 昭和5年版。
Aburasaka03
 油坂池が消えてしまいました。
 埋め立てがさらに進んで、完全に消滅してしまったのかと思いました。
 そして、それを、年代不明の魚佐旅館のパンフレットの年代推定にも使いました。

 ところが、その後、「古都の焼け門」さんからコメントを頂き、空中写真によれば油坂池は昭和42年までは存在している旨、ご教示頂きました。ありがたいことです。
 地図とは整合しませんが、空中写真は確かです。

 そこで止まっていたのですが、新たに入手した昭和18年の地図にはこうありました。
Aburasaka04
 油坂池、復活していますね。昭和3年8月版と同じような形です。
 一度埋め立てたものをまた元通りに掘ったとも考えにくいです。
 とすると、昭和5年版に油坂池がないのは、地図上で間違って消してしまったということですかね。
 なぜ間違ったのかも含めて、ナゾのままです。

 南の三條池は、道路整備のために西側が削られてしまっていますね。
 刊行年の異なる地図を比較するのは楽しいのですが、地図が正しくない場合もあるということになると、なかなか油断がなりません。

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