さわらぎ
昨日に続き、また頂き物のお菓子です。
箱。
みやびです。
歌は百人一首でした。
女性歌人の歌と絵とが並んでいます。
次のような歌でした。
「花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに」小野小町
「あらざらむこの世のほかの思ひ出に今ひとたびの逢ふこともがな」和泉式部
「有馬山猪名の笹原風吹けばいでそよ人を忘れやはする」大弐三位
「大江山いく野の道の遠ければまだふみもみず天の橋立」小式部内侍
中身です。
中身もまた風雅です。いずれも秋らしい絵柄ですね。
赤い柿が印象的です。
さはさりながら、やはり、うさぎ。(^_^)
親子のうさぎでしょうか。月を見ています。
月と兎もよく似合います。
このお菓子の名前「さわらぎ」とは?
日国には次のようにあります。用例は省略しました。
>さわら‐ぎ[さはら‥] 【椹木】〔名〕「さわら(椹)」に同じ。
ということで、「さわら」を引いてみました。
>さわら[さはら] 【椹】〔名〕ヒノキ科の常緑高木。各地で広く植栽されるが、本州や九州に自生が知られている。高さ三〇~四〇メートル、径一メートルに達する。ヒノキに似ているが樹形はより鋭い円錐形をなす。葉は扁平な鱗状で小枝や細枝に対生状に圧着し、小枝がちょうど一枚の葉のようになる。葉の先端はとがり、裏面の白斑がいちじるしい。雌雄同株。果実は球形の毬果で径七ミリメートルぐらい、一〇または一二個の鱗片からなり、黄褐色。種子は長さ約二ミリメートル、幅約四ミリメートルで翼がある。材はヒノキより軟らかいが湿気に強いことから、桶(おけ)材や、障子・ふすまの組子に使う。漢名に花柏を当てるが誤用。さわらぎ。学名はChamaecyparis pisifera
桶の材に使うということですね。このお菓子の色合いなどがサワラ材のイメージと重なることによる命名なのでしょうかね。
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このブログをご覧くださったまほろばメイトの方から、ご教示頂きました。
以下の通りです。
「さわらぎ」
京都市上京区の椹木町通周辺は御所の用材の椹木を扱う職人や材木屋が多く、このような名前がついたそうです。
この材木の丸太の断面に、季節の絵柄を描いたように見立てたお菓子がさわらぎです。
餅を型焼きした最中種に、加賀友禅の技法で多色の砂糖を使って型染めし、柚子餡を最中の皮ではさんだ和菓子です。
季節にあわせて絵柄が変わります。絵柄は季節の花や季節にちなんだモチーフの絵柄です。
京都よりも、飛鳥・奈良が好きな私ですが、こういう話を聞くと、やはり京都の伝統を感じます。京都も良いです。
投稿: 玉村の源さん | 2020年10月13日 (火) 23時44分