赤穂花岳寺(華嶽寺)の絵図
ネットオークションで入手しました。
赤穂浅野家の菩提寺である花岳寺(華嶽寺)の絵図です。
標題は「播州赤穂城下臺雲山華嶽禪寺全圖」とあります。
左下隅にこうありますので、明治には降らず、江戸時代のものではないかと思います。
赤穂には11年前に1度だけ行ったことがあります。忠臣蔵ファンとしては、1度だけというのはどうも。(^_^;
その折、花岳寺にも行きました。
絵図の本堂。
今の本堂。
同じようですね。再建かもしれませんが、そうだとしても、元の姿と同じように建てたものと思います。
義士の墓所。
中央に3基の大きな墓石があり、周囲に多数の墓石が並んでいます。
今の墓所。
中央の墓は浅野内匠頭のもので、その左右は大石内蔵助と主税のものです。周囲の墓はそれ以外の義士たちのもの。
これらの墓は、義士の三十七回忌に当たる元文4年(1739)に、当時の赤穂藩を領していた森家の家臣有志が建てたものだそうです。
伝によれば、義士の遺髪を埋めているということです。
絵図では、墓所の入口の両脇に、「大石桜」と「大野柳」が描かれています。大石内蔵助と大野九郎兵衛にちなんだものでしょう。
現地に行ったとき、桜には気づきませんでしたが、柳はありました。
絵図と同じ位置にあります。
しかし、「不忠柳」って、なにもそんな風に呼ばなくても、と思います。それで、目に付いたのでした。
寺号については、このような解説板がありました。
浅野長重の墓石には確かにこう彫られています。
本堂の額も同様です。
でも、お寺としては、その正式表記とは別に、「花岳寺」を日常的に使っているのですね。なかなか柔軟です。
絵図の右端付近にこのようなことが書かれていました。
勝手にスペースを空けるとこうなりますかね。
「開帳案内 并 義士摺物 土産焼塩等 弘所」
すぐ下には「茶所」とあります。
参拝者の休憩所と、参拝記念のお土産販売を兼ねている建物ですね。
義士摺物はブロマイドといった趣でしょうか。
そして、赤穂のお土産というと、やはり塩ということになるのでしょう。
遠方からの参拝者も多かったのかもしれません。
「弘所」という語は初めて見ました。日国には載っていない語ですが、ググってみると、古文書や古文献などに「弘所」「売弘所」という語は見つかります。暦などの頒布所に用いられていました。
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