大相撲出世双六
またまたネットオークションの収穫物です。
いつのものか分かりません。
描かれている服装や髪型は江戸時代風ですが、この双六が作られたのは戦後、それも戦後すぐではなく、昭和40年代・50年代くらいではないかと思います。根拠はありません。勘です。(^_^;
右下がふりだしで、中央に「あがり」があります。
「あがり」は横綱土俵入です。お相撲さんにとっては、やはり綱を張ることが大きな目標なのでしょうね。
ふりだしはこのような絵です。
まだ暗い頃に、風呂敷包み1つを持って、1人で家を出たところですね。家出同然の旅立ちなのでしょうか。
全部で29のマスがあります。以下の通りです。
1.ふりだし
2.のじゅく
3.にほんばし
4.ふれだいこ
5.ばしょいり
6.りょうごく
7.にゅうもん
8.そうじせんたく
9.ちゃんこ
10.にもつはこび
11.かえろかな
12.あさげいこ
13.もうげいこ
14.もちつき
15.のみくらべ
16.じょのくち
17.じょにだん
18.さんだんめ
19.まくした
20.十両
21.前頭
22.けんかさわぎ
23.小結
24.三役出世祝
25.関脇
26.ふろ
27.大関
28.本場所
29.横綱土俵入
故郷を出てからいろいろと苦労して、序の口になるのが16番目ですから、厳しい世界です。横綱になれたのならば何よりです。
2つ目のマスは、旅の途中の野宿ですね。
旅の道連れになった犬でしょうか。あるいは、野良犬に風呂敷包みの中のゴハンを狙われているところか。
11番に「かえろかな」があります。そういう気持ちになることもありましょう。
「こゝへくればふりだしへもどる」というのがシビアです。
15番「のみくらべ」に止まると、飲み過ぎて1回休みになります。
18番「さんだんめ」に止まると、ケガのために序の口に戻ることになります。そういうこともありましょう。
22番「けんかさわぎ」では、幕下に戻ることになります。
22番というのは前頭と小結の間です。そこから一気に幕下というのは、大きく番付を下げることになります。
しかし、相手は抜刀していますね。物騒な事態です。幕下に戻るくらいで済めばむしろ幸いかもしれません。
20番「十両」で止まると3つ進めます。
3つ先は「小結」です。双六ですから、出た目の数だけ進んで、その結果、十両から小結に進むこともありましょうけど、でも、「十両」に止まると、そのまま「小結」にワープできるというのには、ちょっと引っかかります。(^_^)
助詞の「へ」はずっと「へ」と書かれていたのに、ここだけ「え」になっています。
ここだけ、マスの中の記載ではなく、マスの標題の一部としての注記ですので、そこが異なります。文字も標題と同じく相撲字で書かれています。こういう仮名遣いで、江戸時代風の趣を出したのでしょうかね。
あれこれおもしろいです。
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