スペインの新聞に載ったアマビエ
スペインの日刊紙『エル・パイス』の4月20日付の号(ネット版)に日本のアマビエのことが取り上げられていると、さるまほろばメイトの方からお知らせ頂きました。ありがたいことです。
1ページ目はこのような画面です。
スペイン語で何か書いてあります。
私はスペイン語は全く分かりません(英語もダメ(^_^;)が、「グーグル翻訳」という大変にありがたいものがありますので、これに訳して貰いました。次の通りです。
-------------------------------------------------------------------
コロナウイルスに対する日本のマスコット、アマビー
日本にはパンデミックと戦うお守りがあります。 彼の名前はアマビエであり、彼は「妖怪」、神道の宗教から受け継がれた民族の伝承の人物です。 伝説によると、彼は19世紀に警察当局に出頭し、国民に彼のイメージを示すことでパンデミック患者を助けることができるとしています。
-------------------------------------------------------------------
同じ綴りなのに、タイトルでは「アマビー」、本文では「アマビエ」と訳されています。
また、アマビエが「警察当局に出頭し」たという部分、そうかなぁと思いましたが、訳の当否を判断できません。(^_^;
この先、何ページにも亙ってアマビエの記事が続きます。画像もふんだんです。
次のページには、京大図書館所蔵の瓦版が載っていました。
画像を載せるに当たっては、京大図書館の所蔵だということを明示すればOKとのことです。
これにもスペイン語の解説が付いています。また「グーグル翻訳」で訳しました。
-------------------------------------------------------------------
1.「妖怪」とは、神話の多神教的ビジョンから受け継がれた、日本の民間伝承の人物です。 これらの生き物の一部は、人間または動物の形で現れますが、他の生き物は、廃棄されたときに魂を獲得する植物またはオブジェクトでさえあるかもしれません。 アマビーはこの無限の宇宙の一部です。 伝説によれば、熊本海岸沖の波に乗った身元不明の法執行官が最初に彼に現れ、彼を引き寄せて「パンデミックの場合に」住民に見せることを彼に言ったそうです。 画像では、最初の既知のイラストは、1846年に新聞に掲載されました。
京都大学
-------------------------------------------------------------------
他に、越後に出現した「アマビコ」なども載っていました。
日本から遠く離れたスペインの新聞なのに、「アマビエ」についてずいぶん詳しく調べています。
「アマビエ」に大きな興味をもったのか、それとも日本人や日本文化に大きな興味を持ったのか。それに興味を持ちました。(^_^)
さて、懸案の「アマビエ」の意味について。
アマビエは海から出現したということですので、「アマ」は海のことだろうと思います。
残るは「ビエ」ですね。
日国で「○○ビエ」を検索すると、「ビエ」は「冷え」や「稗」の連濁が目立ちました。どちらも違うように思います。
同じ日国に「ひえ‐くさい【─臭】」が立項されていて、そこに「方言」として、
-------------------------------------------------------------------
生臭い。魚臭い。
《ひえくさい》熊本県八代郡、葦北郡、鹿児島県種子島、揖宿郡
《ひえくせ》鹿児島県、肝属郡
-------------------------------------------------------------------
とありました。
「ひえくさい」の意味が「生臭い」「魚臭い」ということなら、「ひえ」の意味は「魚などの水生生物」ということになりそうな気がします。
この方言が用いられている地域の中に、熊本県八代郡、葦北郡があります。アマビエが最初に取り上げられた、京大図書館所蔵の弘化3年の瓦版では、アマビエは肥後国に出現したのですよね。地域はぴったりです。
アマビエの絵には鱗も描かれていますしね。アマビエって、海から出てきた魚のような妖怪、ということでいかがでしょうか。
« 桑の実 | トップページ | 金魚の水槽水順調&赤虫完食 »
「文字・言語」カテゴリの記事
- 日本のハロウィンはいつ頃から?(2023.10.20)
- お寺のねこ&英語のお経(2023.09.28)
- けろけろけろっぴの回文かるた(2023.09.26)
- 「英語かるた」(2023.09.19)
- 根来麻子氏『上代日本語の表記とことば』(2023.09.11)
「健康・病気」カテゴリの記事
- 体重変化(R4.5~R5.11)(2023.12.01)
- 体重推移グラフ&奈良の柿(2023.11.02)
- 体重計兼体組成計の設定(2023.10.16)
- インフルエンザの予防接種(2023.10.06)
- 体重変化&Amazonのマウス(2023.10.01)
「民俗・宗教」カテゴリの記事
- アマビエだるま(2023.12.02)
- 『ならら』最新号の特集は春日若宮おん祭(2023.11.30)
- 日本のハロウィンはいつ頃から?(2023.10.20)
- 5ヶ月半ぶりの渋川(2023.10.14)
- お寺のねこ&英語のお経(2023.09.28)
アマビエもスペインまで行くと、なんか高級そうな様相を呈してきますね。
そうそう、あの「テルマエ・ロマエ」のヤマザキさんがこんなアマビエを書いていますね。
https://twitter.com/THERMARI1/status/1240777142331301888/photo/1
こちらも結構高級そうな感じ・・・・
投稿: 三友亭主人 | 2020年5月 7日 (木) 22時08分
三友亭主人さん
コメントをありがとうございます。
スペインでもにわかなアマビエブームが起きているかもしれませんね。
海は繋がっているから。←などと、思いつきでもっともらしいことをつぶやいてみる。(^_^)
ヤマザキさんの絵のご紹介をありがとうございます。
これまた素敵ですね。
バックをわざと年を経た感じにしてあって、趣が増していますね。レオナルドダビンチ風。
投稿: 玉村の源さん | 2020年5月 7日 (木) 22時15分
該当箇所は、直訳すると、法を執行する部門となるようです。
現在は警察署の意味で使われるようですが、この時代だと奉行所のようなものにあたるでしょうか。
アマビエ、世界の守り神になるといいですね(大げさ?)。
投稿: 源さんの後輩 | 2020年5月 7日 (木) 22時59分
翻譯ソフトとしてはドイツで作られた「DeepL翻訳」が相當にすぐれてゐます。御存知でなければ、こんな機會にでも試してみてください。スペイン語にも對應してゐます。
https://www.deepl.com/ja/translator
むろんそれなりの完成度ではありますが、大意はつかめ、日本語としてもかなりこなれてゐます。
投稿: 筒井茂徳 | 2020年5月 7日 (木) 23時35分
源さんの後輩さん
コメントをありがとうございます。
源さんの後輩さんはスペイン語もOKでしたか。
私は英語も覚束なくて。(^_^;
ご教示ありがとうございます。
奉行所のようなものですか。とすると、熊本だと細川家ですかね。
細川家の奉行所。
ありがとうございました。
ほんと、世界の守り神になると良いです。
海は繋がっていますものね。
投稿: 玉村の源さん | 2020年5月 7日 (木) 23時40分
筒井先生
コメントをありがとうございます。
ご教示ありがとうございます。
「DeepL翻訳」は、名前すら全く存じませんでした。お恥ずかしい。
早速使ってみました。
コロナウイルス対策の日本のマスコット、アマビー
日本にはパンデミック対策のお守りがある。彼の名はアマビエといい、神道の継承者である「妖怪」と呼ばれる国家伝承の人物である。伝説によると、彼は19世紀に法執行官に姿を現し、国民にその姿を見せることでパンデミックの際に役立つという。
と訳してくれました。
「グーグル翻訳」の訳よりもこちらの方が良いですね。
ありがとうございます。
この翻訳サイト、今後使うことに致します。
投稿: 玉村の源さん | 2020年5月 7日 (木) 23時48分