『おくのほそ道』出立の日で「旅の日」
今日は「旅の日」だそうです。コロナ禍で、今は旅もままなりませんが。
芭蕉が『おくのほそ道』の旅に出立したのが元禄2年の3月27日。それが太陽暦では1689年の5月16日にあたるということで、日本旅のペンクラブが5月16日を「旅の日」に制定したのだそうです。
日本ペンクラブという団体も知りませんでしたし、「旅の日」も知りませんでしたが、「旅の日」に制定したのは昭和63年だそうですから、もう30年ちょっと経っています。
今日が「旅の日」だと知ったのは、またまたスマホゲーム「ねこあつめ」の「今日のあいことば」です。今日のあいことばは「おみやげ」でしたので、「はて? なぜ?」と思い、あれこれ調べていったら、分かりました。
ためになる「ねこあつめ」。(^_^)
『おくのほそ道』には、出立は次のようにあります。
> 弥生も末の七日、あけぼのゝ空朧々として、月は在明にて光をさまれる物から、不二の峯かすかにみえて、
>上野谷中の花の梢又いつかはと心ぼそし。むつましきかぎりは宵よりつどひて、舟に乗て送る。
>千住といふ所にて船をあがれば、前途三千里のおもひ胸にふさがりて、幻のちまたに離別の泪をそゝく。
> ゆく春や鳥啼き魚の目は泪
確かに、「弥生も末の七日」とありますので、3月27日ですね。その直前に「草の戸も住替る代ぞひなの家」の句があるので、何となく、ひな祭りの少し後に出立したように思っていました。まだ少し寒い頃といった感じで認識していました。
旧暦と新暦とは平均して40日くらいずれている(年ごとに差は大きいですけど)というのは理解はしていても、うっかりするとそのままの日付で考えてしまいます。
実際の出立は、ひな祭りよりも大分遅い3月27日だったのですね。しかも、この年は旧暦と新暦との差が少し大きかったようで、新暦だと5月16日になるとは。
少し寒い頃どころではなく、少し暑かったかもしれない頃ですね。油断がなりません。(^_^;
> さても義臣すぐつてこの城にこもり、功名一時の叢となる。
>「国破れて山河あり、城春にして草青みたり」と笠打敷きて、時のうつるまで泪を落し侍りぬ。
> 夏草やつはものどもが夢の跡
というあたりも名文と思います。
« サンバぐんまちゃん | トップページ | アマビエのこけし »
「日常」カテゴリの記事
- 確定申告書投函(2021.04.10)
- 真弧(まこ)(2021.04.06)
- だしの自販機(2021.03.31)
- 3倍長持ちトイレットペーパー(2021.03.28)
- 除湿機の水は金魚に使える?(2021.03.27)
「文学」カテゴリの記事
- 『現代語古語類語辞典』(2021.04.08)
- 菅原孝標の娘の上京1000年(2020.11.12)
- さわらぎ(2020.10.13)
- 兵どもが夢の跡(2020.09.03)
- 二千円札が生まれて20年(2020.07.19)
ねこあつめのあいことば。
一応、毎日「今日は何の日」を調べているのにも関わらず、「おみやげ」と「旅の日」の繋がりに気付けなかった私。
アンテナの張り方に詰めの甘さがありますね。
このあたりが先生のような「研究者」との違いなのでしょう。
あいことばを決定する方たちは、本当に幅広い教養をお持ちですよね。
どういう基準で決めているのか、伺ってみたいと思ってしまいます。
投稿: やまゆり | 2020年5月17日 (日) 01時20分
やまゆりさん
コメントをありがとうございます。
「ねこあつめ」の「今日のあいことば」、只者ではないですね。(^_^)
以前は、単に季節ネタが多いなという程度の認識でした。
二十四節気は取り上げられていますし、その時期に相応しい季語もよく取り上げられていました。
そのどちらでもないものがあっても、もともと季節の語を取り上げるって決めてるわけでもないだろうから、と思って、気にも留めていなかったのですが、何かの時に、「今日は○○の日」もあることに気づき、あ、もしかしたら、一見何でもなさそうな語も、ひょっとしたら「今日は○○の日」なのかも、と思うようになりました。
たぶん、必ず何か必然性のある語なのでしょうね。油断なりません。(^_^)
「今日のあいことば」を選んでいる人、個人なのかチームなのか分かりませんが、いい仕事をしていると思います。本人(たち)もきっと楽しんで選んでいるのでしょうね。
投稿: 玉村の源さん | 2020年5月17日 (日) 01時40分