得鳥羽月
前にも書きましたが、スマホのゲーム「ねこあつめ」がお気に入りです。
このゲームで、毎日日替わりの「あいことば」が示されます。
この「あいことば」が、なかなか只者ではありません。
「寄物陳思」などという業界用語が登場したこともありました。(^_^)
今年4月1日の「あいことば」は「得鳥羽月」でした。
はじめて見る言葉でしたし、読み方も分かりません。
読み方が分からないと国語辞典や古語辞典は引けませんが、今は便利になって、ジャパンナレッジや電子辞書などを使えば、読みが分からなくても検索できます。
で、日国では2項目見つかりました。以下の通りです。
>えとりは‐の‐つき 【得鳥羽月】〔名〕陰暦四月の異名。
> *蔵玉集〔室町〕「藤の花夏にかかれる奥山の下にや待たんえとりはの月」
> *俳諧・哥林鋸屑集〔1660〕「四月。〈略〉得鳥羽(ヱトリハノ)月」
>とことば‐の‐つき 【得鳥羽月】〔名〕(「ば」の清濁については不明)陰暦四月の異称。えとりはのつき。《季・夏》
> *俳諧・俳諧新式〔1698〕夏の詞よせ・四月「う月 うのはな月 とことはの月 はな残り月」
>補注
> 「俳諧・増山の井」に「卯月 卯の花月 得鳥羽の月 花残りの月」とあるが、読み方は不明。
ということで、陰暦4月の異名なのですね。読みも「えとりはのつき」と「とことばのつき」という2様があるのでした。
どちらかが本来の読みで、一方は文字に引かれて生じた誤用ということなのでしょう。
語の由来もよく分からないようで、「雛の羽毛が生えそろう時季」や「鳥の羽が生えかわる季節」という説があるようです。
日国の用例を見ると、俳諧で用いられる語なのでしょうかね。五七五の17音という限られた音数ですので、その短い中で新しい表現を生み出そうとした工夫の1つなのでしょうかね。まったくの素人考えです。
何かもう少し分かってからブログのネタにしようと思っていましたが、今日で4月が終わってしまいますので、今日載せることにしました。
ま、旧暦4月の異名ということですので、本当はまだ良いのかもしれませんけど。(^_^)
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今日のあいことばも難しかったですね。
「狭雲月」、読めませんでした。
5月の異名ということですが、知らないことばかりです。
投稿: やまゆり | 2020年5月 1日 (金) 10時50分
やまゆりさん
コメントをありがとうございます。
私もこの語は初めて見ました。読みも分かりませんでした。
「ねこあつめ」の「あいことば」、毎月の朔日はその月の異名を取り上げることにしたのでしょうかね。
日国には「さくもどり」も立っていて、ほととぎすの異名だそうです。この2語は関連していることでしょう。日国では、どちらも初出例は室町時代で、「さくもつき」の方が80年ほど古い例でした。
「さくもつき」から「さくもどり」が派生したのかもしれませんね。
「狭雲月」は当て字ですかね。漢字を離れて、読みメインで考えれば、「さくもつき」の語頭の「さ」は、「さつき」「さみだれ」「さおとめ」「さばえ」などの「さ」と一緒でしょうね。
投稿: 玉村の源さん | 2020年5月 1日 (金) 14時31分