昭和4年の、とある修学旅行日程
このようなものを入手しました。
これ実は、同じものを以前にも入手し、当ブログでも取り上げています。
同じものをまた買ったのは、版違いならば何かおもしろいことが見つかるかもしれないと考えたからです。最近、異版に興味があります。(^_^)
今回のは、大正13年10月印刷発行、大正15年10月改正三版です。
で、前回のも全く同様。同じ版でした。(^_^;
でも、買って良かったことが2点ありました。
1つはこれです。
これは以前買ったものです。
右下の豊橋駅から左上の岡崎駅まで点線で線路が描かれています。この途中の駅名の文字が他と違います。他の駅名よりも小さく、またいかにも手書き然とした文字です。
といっても、この地図の持ち主が自分で加筆したわけではなく、発行者が改訂段階で加えたもののように思えます。ただ、確証が持てませんでした。
以下が今回購入した地図の同じ箇所です。
同じですね。発行者の加筆ということが確定して、すっきりしました。(^_^)
もう1点は、今回の地図に貼りつけられていた1枚の紙片です。
小さくて見にくいと思いますが、右側には「御大礼式場拝観順路」とあり、京都御所の地図が描いてあります。
左側には「旅行日程」とあります。
左側の「旅行日程」の部分を拡大します。
1月16日から19日までの旅行日程です。幸いに曜日が記載されていますので、これを手がかりにすると昭和4年と判明します。
「御大礼」というのは、昭和3年11月に行われた昭和天皇の即位・大嘗祭の礼ですね。
この日程がハードです。
まず初日の1月16日は夜の9時半に幸田駅前に集合し、10時33分幸田駅発の夜行列車で京都に向かいます。京都駅着は翌日の朝4時20分。所要時間は5時間47分です。
幸田駅というのがどこか分からなかったのでググってみようと思いましたが、その前に上の地図にありました。蒲郡と岡崎の中間ですね。
この地図を編集したのは名古屋市地理歴史研究会ですので、この地図は名古屋市及びその近辺の学校の修学旅行で使用されたのでしょう。
幸田駅の所在地は、愛知県額田郡幸田町です。
2日目は朝4時20分に京都駅に着いて、東本願寺、西本願寺、金閣寺、御大典式場跡拝観、本能寺、その他をまわり、宿は七条西洞院停留所西の三河屋です。
早朝4時20分に着いた後、どうしたのでしょうね? すぐに移動しても、見学先はまだ開いていないと思います。お寺は朝が早いとはいえ、1月の朝4時20分はまだ真っ暗でしょう。宿の場所を地図で見ると、両本願寺の中間あたりでした。本願寺は京都駅に近いので、あるいは駅から宿に行って、仮眠を取り、朝食をとったのでしょうか。宿としても朝4時半頃に来られては迷惑のように思いますが、当時は夜行列車での移動も珍しくなかったとすれば、そういう対応もアリだったかもしれません。
3日目は朝7時頃に宿を出て、御陵をいくつか参拝。午後1時35分(あるいは45分かも)に桃山駅を出発して、奈良駅到着後、「奈良名勝見学」となっています。宿は猿沢池畔の吉田屋です。
奈良駅に着くのは3時前になりましょうか。それから奈良を巡るとして、行けるのは東大寺、興福寺、春日大社くらいでしょうか。
最終日は、朝7時26分奈良駅発で、また京都に行きます。三十三間堂以北の東山を見学後、三井寺を見学し、夕方4時20分頃大津駅発の列車に乗って、夜9時50分に幸田駅着となります。朝、宿を出るのは7時前でしょうね。早いです。
ということで、初日、夜行列車を使用するところから始まって、毎日、朝も早く、かなりきつい旅行のように思います。
こういう日程だと、わざわざ奈良に行くこともないように思いますが、やはり奈良は落とせないのでしょうね。それは嬉しくはありますけど。
おもしろいものを入手しました。(^_^)
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