昭和30年?の「少年少女 映画かるた」
このようなかるたを入手しました。
「映画かるた」とありますが、中身を見ると、また箱に「東映株式会社監修」とあるように、東映を対象にしたかるたです。
絵札はこのようになっています。
「を」を含めて45枚です。「を」があっても読む時は「お」と同じなので、取るのに厄介と思います。
絵札と読み札を何組かセットで示します。
右太衛門の札、千恵蔵の札というように、どの札も俳優ごとになっています。
大体1枚1人の俳優ですが、1枚に2~3人というものもあります。
多いのはこの様な面々です。
・市川右太衛門……4.5枚
・片岡千恵蔵………3枚
・東千代之介………3枚
・中村錦之助………2枚。
右太衛門と千恵蔵に差があるのが不思議です。この2人は両御大と呼ばれ、差が出ないように会社としても気を使っているはずなのですが。
奥付がないので、いつのものか分かりませんが、手がかりとなる札があります。
・「阿波のお話「鳴門秘帖」」(市川右太衛門・花柳小菊)
・「放送劇の映画化「笛吹童子」」(中村錦之介)
・「三四郎になった波島進」(波島進)
これらに対応する作品は次の通りです。
・昭和29年(1954)「鳴門秘帖」
・昭和29年(1954)「新諸国物語 笛吹童子」三部作
・昭和30年(1955)「姿三四郎」「続・姿三四郎」
見る限りは、昭和31年以降の作品に対応する札はなさそうです。
また、このかるたには大川橋蔵の札がありません。橋蔵は昭和30年スクリーンデビューですが、大きく活躍するのは昭和31年からのようですので、その点からも、このかるたは昭和30年のものと推定されます。
箱の絵は、右側にドクロの旗指物が描かれていることから、「笛吹童子」だと思います。
中央に描かれているのは大友柳太朗ですね。「笛吹童子」では幻術士の霧の小次郎役として子供たちに大人気だったそうです。
手前の2人の女性は分かりませんが、たぶん、向かって右が高千穂ひづる、左が田代百合子と思われます。
かるたの中に「笛吹童子」関係と思われるものに、次の札があります。
・「なさけの勇士斑鳩隼人」(楠本健二)
・「忍術映画は東映の得意」(大友柳太朗)
・「田代百合子は娘役」(田代百合子)
かなり「笛吹童子」を押しています。
それで、かるたの名に「少年少女」を冠しているのでしょう。
とはいえ、「喜多川千鶴は明眸スター」(喜多川千鶴)などという札もあります。「明眸」なんていう語、少年少女には分からないと思いますけど。(^_^;
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