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2020年3月 7日 (土)

おうふうが……

 しばらく前に、おうふうが廃業するとの話を聞きました。
 デマであって欲しいと願っていましたが、どうも本当だったようです。
 昨日、このような情報のあることを教えて頂きました。

https://bungaku-report.com/blog/2020/03/post-706.html?fbclid=IwAR3pyML7hnEfagP7GoiDVEAIz6_nKoifETCSib1XqWqQqyjsnvEwkD8OlM0

 どうやらデマではなかったようです。

 おうふうは創業63年ということです。学生時代からずっとお世話になってきました。何とも寂しいことです。

 これまでにも、国語国文学関係の本を出版していた出版社で、有精堂、高科書店、続群書類従完成会が倒産や廃業し、至文堂がぎょうせいと業務統合していますね。これらの時もまた寂しかったです。他にもまだあったかも。続群書類従完成会の場合は幸いに八木書店が出版事業を継承してくれましたけれど。

 私の授業では、万葉集も古事記もずっとおうふうのを使っていました。
Ofuhaigyo

 万葉集は、2年前におうふう版が品切れ(今にして思えば、絶版ですね)になったので、塙版に変えましたが、古事記はどうしよう。

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コメント

私も、少し前にこの情報に接しました。
若い頃からずいぶんとお世話になった出版社です。
いろいろと学ばせていただきました。

じわりじわりと寂しさが広がるような思いでおります。

国語国文系専門出版社という言葉も、無くなっていくのでしょうか。

朝倉山のオニさん

 コメントをありがとうございます。

 我々の業界人は皆さんお世話になっていましたよね。
 ほんと、寂しいです。

 国語国文学関係の出版社の中にも、元気な会社もあると思いたいです。
 いつかまた国語国文学にも関心が向く時代の来ることを信じつつ。

専門書を扱う出版社、次第に減ってしまっているのですね。
出版業界そのものの元気がなくなっていることは承知していましたが、世の中はペーパーレスになってしまうのでしょうか。
私は本に囲まれて育ったようなものなので、やはり寂しいです。

話は変わりますが、なぜか私の実家には日国と大漢和があります。
父が35~36年前に揃えました。買った本人は一度も開いた様子はなかったのですが、私が 「ことば」に関心を持ったきっかけは多分この日国です。当時は辞書に書かれている事柄の意味がわからないまま、ただページをめくって読み進めていました。
大学の研究室で日国を見たときは、「家にもある! 父はこんなにすごいものを何故買ったの?」と思いましたが、結局理由は聞けずじまい。
でも今ならなんとなくわかる気がします。「日本語・国語をきちんと学べるように」。
父に感謝です。

やまゆりさん

 コメントをありがとうございます。

 出版不況が長く続いているようですね。
 読書離れということが大きいのでしょうかね。20年くらい前までは、電車の中で本を読んでいる人がたくさんいましたけど、今はスマホですものね。

 国文系も、以前は、『文学』(岩波)、『解釈と鑑賞』(至文堂)、『解釈と教材の研究』(学燈社)などが、ちょっと大きな書店の店頭には普通に並んでいたのに、今は全部休刊になってしまいました。

 文学に比べたら、歴史はまだ元気ですかね。歴史ファンは多いように思います。

 何とかまた活気を取り戻して欲しいです。

 お父様、すばらしいですね。ご本人が開いていないとすると、お子さんのために購入されたのでしょうね。

 すぐ手の届くところにそういう本があるって、大きいと思います。

>授業では・・・

私は最初に指定された万葉集の講座の教科書として指定されたは「新校」でした。が、輪講の方に行ってみると先輩の皆さんが「おうふう」というか桜楓社の碧い表紙のものを使っていらっしゃったので、講義は「新校」、輪講は「おうふう」と分けて使っていました。ただ、「おうふう」のものは空きスペースが大きかったので、書き込みやらなんやらは「おうふう」のものにしていました。そんでもって、2年生になってからは、その年にいらっしゃった師匠のM田先生のボロボロの塙本に憧れて、塙本に切り替えました。

ところで・・・古事記の方は、これがなくなったら困っちゃうんじゃあないんですか多くの人が・・・

三友亭主人さん

 コメントをありがとうございます。

 はい。確かに古事記は困りますよね。
 代わりのものとして真っ先に思い浮かんだのは、沖森・佐藤・矢嶋という山川の風土記等のトリオによる『新校古事記』だったのですが、調べてみたら、これもまたおうふうなのですよね。山川から出しておいて欲しかった。(^_^;

 他には、新潮の古典集成の『古事記』の新装版というのが出ていました。税込価格2,640円。今まで使っていた『古事記 修訂版』が1,900円でしたから、授業のテキストとして使うには若干高いかも。また、形としては、原文メインで、原文の脇に訓みの付いているものが理想的なので、その点からもこれはちょっとです。

 読み下し文で良いのならば、角川ソフィア文庫の『古事記』(中村啓信)かと思います。うしろの方に原文と口語訳も付いているのですが、原文がとても読みにくい。(^_^;

 良いのがありませんね。

 あと、来学期に古事記を扱うのは後期の演習です。その演習を履修する3年生以上の学生の多くは『古事記 修訂版』を持っていると思われます。持っていないのは2年生。持っている学生にも新しいテキストを買って貰うわけにはゆかないので、同じ教室内に2つのテキストが共存することになります。

 万葉集のテキストをおうふう版から塙版に代えた時に同じ状況になりましたが、万葉集には歌番号がありますし、訓みも違わない歌も多い。ところが古事記の場合は、何ページの何行目という形で指示すると話が早いので、複数のテキストの併存は困ります。

 来年度に限れば、2年生でこの演習を取る学生はほんの数人と思われますので、毎年おうふうから頂いた献本で数は足りるかもしれません。これに期待します。

たまたま鶴先生の萬葉集の萬葉集を思い出し、このブログにたどり着きました。
かつて鶴先生の元で学んだ者です。
そうなんですね。おうふう社が廃業…。
さびしいですね。と、いいますか、テキストが買えなくなるのは大問題ですね。

ぱんださん

 はじめまして。コメントをありがとうございます。

 鶴久先生のお教えを受けられたのですか。
 それはまた感慨無量なことと存じます。
 鶴先生・森山先生の『萬葉集』は2年前に絶版になってしまい、代わりをどうしようと困惑したものでした。
 今回、おうふう自体が廃業ということで、本当に寂しい思いをしています。

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