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2020年2月15日 (土)

「サコイチ」って

 スマホゲームの「ねこあつめ」を楽しんでいます。(^_^)
 その中に「今日のあいことば」というものがあります。
 あいことばの中には知らなかった言葉もあり、勉強になります。
 
 去年の8月には「寄物陳思」などという業界用語が登場して、「おお!」と思ったものでした。
Neko_kibutsu

 昨日の合言葉は「サコイチ」でした。
Neko_sakoichi

 初めて見る語で、何のことやらさっぱり分かりません。
 ググってみたら、ウィキペディアの「チョコレート」の項に「明治時代の独和辞典『袖珍獨和新辭林』によれば、Schokolateに楂古聿(ショコラ、チョコレート、日本語読みでサコイツ、サコイチ)という訳を当てている。」という一節がありました。

 昨日はバレンタインデーですから、これに間違いありませんね。

 このウィキペディアの解説文、ちょっとヘンですけど、要するに、ドイツ語のSchokolateを誰かが「楂古聿」と漢字表記し、その漢字表記を別の誰かが「サコイチ」と誤読した。ということなのでしょう。それが『袖珍獨和新辭林』に載っていると。

 この『袖珍獨和新辭林』は、幸いに国会図書館のデジタルコレクションで閲覧可能です。
 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/864106

 この510コマ目あたりにあるはずなのですが、見つけることができませんでした。私、横文字が苦手なので、見当違いな箇所を見ているのかもしれません。(^_^;
 どなたか見つけてくださるとありがたいです。


【追記】
 『袖珍獨和新辭林』における「Schokolate」の所在箇所を、源さんの後輩さんからコメント欄でご教示頂きました。
 533コマ目でした。だいぶ別の場所でした。お恥ずかしい。(^_^;
 ご教示、大変にありがとうございました。

 該当箇所を切り貼りして良いものやら迷いましたが、貼ってしまいます。
Neko_sakoichi2

 ウィキペディアの『袖珍獨和新辭林』からの引用の範囲が不分明だったのですが、おかげ様ではっきりしました。
 『袖珍獨和新辭林』には「サコイチ」という語は書かれていないことになります。
 あ、本文に書き落としましたが、「サコイチ」は日国にも載っていません。

 この語の具体的な使用例がどういう文献にあるのか、それを知りたく思います。

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コメント

533コマ目左、1054ページ、下から5行目に

Schokolate, † f. 楂古聿(チヨコレート)[「セヲブロマ、カゝヲ」ト称スル
植物ノ果実ヲ粉末シ之ニ肉桂砂糖等ヲ加ヘテ製シタル物、
熱湯ニ溶カシテ用フ、甘豆餅]

とあります。

Frakturなので読みにくいですね。
セヲブロマはtheobromaのことのようです。
現在はドイツ語ではSchokolade(ショコラーデ)と書きます。
飲料のココアもこの語で指します。
(私にはドイツでアイスクリームを買う時の重要単語です)

源さんの後輩さん

 早速にありがとうございます!
 見つかりました。

 私は独和辞典を持っておらず、亡父の独和辞典を見てみたところ、Schで始まる語はたくさん載っていました。それなのに、どうしてこの辞書には載っていないんだろうと不思議でした。
 そうか、これがSchなのですね。アルファベットも読めず、何ともお恥ずかしいです。(^_^;

 ウィキペディアにおける引用がどこからどこまでなのか判然としなかったのですが、これですっきりしました。

 ありがとうございました。

サコイチは見つかりませんでしたが、楂古聿は木下杢太郎の詩にあるようです。
雑誌「明星」に掲載され、後に木下杢太郎の詩集『食後の唄』(大正8年)に
収められたようです。
『食後の唄』の目次は下記の箇所で確認できます。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/906455

辞書では明治15年の柴田昌吉, 子安峻 著『英和字彙』にありました。
(89コマ目、166ページの右、9行目、引用符付き)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/870057

明治25年の島田豊 纂訳『雙解英和大辞典 再版』
(87コマ目、145ページの左、下から17行目)には、
カカオの似た話が書いてあるので、どこかに参照元があるのかも
しれません。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2938262

さかのぼれば楂古聿の例はもっとあるかもしれません。
原語を近世中国語音に当てて、それをさらに日本語の漢字音で
読む方法は「幾何」と似ていますね。

源さんの後輩さん

 ありがとうございます。
 お手数をお掛けしました。

 早速見に行ってきました。
 チョコレートを音写した「楂古聿」という文字列、ある時期かなり固定化している感じですね。
 使われている文字は万葉仮名とは大違いですね(「古」は共通ですけど)。
 明治時代の海外の地名人名を音写するのに用いた漢字に興味が湧いてきました。

 年をとっても知らないことだらけ。
 遊んでいる暇はないなぁとは思いつつも、「ねこあつめ」のお蔭で「サコイチ」に出会えたわけなので、そこは何とも。(^_^)

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