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2020年1月23日 (木)

「増補漢語早見大全」(1)

 このようなものを入手していました。
 過去形なのは、先日の雪崩を片づけている過程で発掘されたものだからです。(^_^;
Kangohayami01
 大きさは、横がB5大、縦はB5よりも少し短いです。
 比較のために郵便切手を並べてみました。
Kangohayami02
 紙幣や切手の画像をアップしてはまずいのでしょうけど、消印があるからまぁいいかと思いました。
 番付の文字、かなり小さいです。大きく書いて、それを写真撮影して製版するような方法を採ったのでしょうかね。

 東方のトップです。
Kangohayami03

 西方のトップ。
Kangohayami04

 東西の大関が「君」と「僕」ですけど、東西対照なのはこれくらいで、他はそのようなことはありません。

 見出し語の上に音がひらがなで書かれ、下に意味がカタカナで書かれています。現代は音をカタカナ、訓をひらがなで書くのが一般的ですから、現代とは逆ですね。

 濁音と半濁音が使われています。東方のうしろから2行目に「ろんぱ」とあります。半濁音には今と同じく「゜」が使われています。

 見出し語の下の意味は和語で示されることが多いですが、東方小結の「会計」には「カンシヤウ」とあります。「勘定」でしょうね。このように音でつけられたものもあります。「かいけい」よりも「かんじょう」の方が一般的だったのでしょうね。江戸幕府の役職に勘定奉行がありますし。

 東方うしろから3行目の「シツカリトシタセウコ」、同じくうしろから2行目の「ロンジツメル」など、「証拠」「論じ」などの漢語も一般的だったものと思われます。

 西方の前頭2枚目、「平不」は、「ふへい」という音が付いていることを見ると「不平」の誤りなのでしょう。こういうのがあるので油断なりません。

 この番付、いつ発行されたものか分かりません。
 ただ、番付中央下部に「勧進元」と「差添人」があります。
Kangohayami05
 ここに「文明開化」があるところをみると、この番付は明治になってからほど遠からぬ時期に作られたのではないかと思います。

 標題に(1)としたのは、もう少しあれこれ見て、続きをアップしたいと思っているからです。

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コメント

ご無沙汰しております。雪崩の中からとても興味深いものを発見なさったろ思いました。

増補とあるので、増補の前の版があったかもしれません。
書生言葉の僕と君が東西に配置されているなら、
書生言葉が一般に認識されて以降かと思います。
一般、関係、などの明治に入ってから訳語として使われるように
なった漢語が目立ちますので、この資料が一般向けだとすると
明治中期以降かもしれません。
ハ行の半濁点は明治33年の小学校令施行規則で
正式に決められますから、その前後くらいかもしれません。
明治に入ってすぐではないように思いました。
(2)も楽しみにしております。

タイプミスがありました。
なさったろ→なさったと
失礼しました。

源さんの後輩さん

 御無沙汰しています。
 コメントをありがとうございます。

 私は単純に「文明開化」で明治の初めと思ってしまったのですが、そう簡単ではないのですね。(^_^;

 ポイントとなる語のご説明、なるほどと思います。ハ行の半濁点が正式に決まった時期も大きな手がかりになるのですね。

 ありがとうございます。やはり先達はあらまほしきことです。

 しかし、中央部に大きい字で書いてある「関係」はともかく、4段目の「一般」はよくお読みになれましたね。

 私は、明日、群馬往復なので、往復の車中でこの資料を見てみようと思いましたが、現物は字が小さすぎてとても無理です。そこで、スキャンして、それを更に2分割してA4にプリントアウトしました。B5よりも少し小さい現物をA3相当に拡大したことになります。

 何かおもしろそうな部分が見つかったらアップしますね。

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