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2019年12月18日 (水)

「道中記にみる吉田・二川の名所」

 このようなものを入手しました。
Yoshidafutakawa01

 道中記に関心があるのと、たった1度ですけど二川宿に行ったことがあるのとで、興味を覚えました。
 萩さんゆかりの地でもあります。

 発行者は豊橋市二川宿本陣資料館でした。
 平成12年にこの資料館が開催した展覧会の図録です。
Yoshidafutakawa02

 最後のページには展示目録があります。
Yoshidafutakawa03

 全49点という充実した展覧会です。
 展示品の8割方は本陣資料館の所蔵で、残りは豊橋市中央図書館や豊橋市美術博物館の所蔵です。
 私の持っている道中記は見当たりませんでした。
 私の収集品、道中記ではなく定宿帳と呼ぶべきものかもしれません。

 さて、この図録、裏表紙の隅に蔵書印が捺してありました。
Yoshidafutakawa04

 ハンコの文字は難しいです。(^_^;

 全部で8文字。
 7文字目と8文字目は「館蔵」と読めます。2字目と3文字目は「居関」でしょう。「関」の下が「所」とすると「関所」ですね。
 4文字目の「所」のツクリと1文字目のツクリは同じに見えます。1文字目は左側が欠けていますが、「*居関所」という繋がりを考えると、1文字目は「新」と思われます。
 ということで、8文字は「新居関所**館蔵」となります。以外とスムースでした。(^_^)

 ここまで読めたので、ググってみたら、新居関所史料館という施設のあることが分かりました。

 「史」と「料」とを確認せねばなりません。
 書架にこういう本があります。
Yoshidafutakawa05

 これを見てみました。

 「史」は数ページにわたります。その一部。
Yoshidafutakawa06

 OKですね。

 「料」はなぜかこの本に載っていませんでした。不思議です。
 ダメかと思いましたが、ツクリの「斗」だけでも有効と思い、「斗」を見てみました。
Yoshidafutakawa07

 どうなんでしょう。
 図録の蔵書印では「料」とおぼしき文字のツクリの部分はひらがなの「ち」を90度左に倒したような形です。
 一方、『金石大字典』のこのページの右下の文字は「さ」を90度右に倒したような形です。
 似てはいますけど。同じではありません。
 そこに引っ掛かりながらも、印面はやはり「新居関所史料館蔵」で良いのだと思います。

 読めてめでたいところですが、そうとばかりも言えません。

 最近、大学図書館や公共図書館などで蔵書の盗難が増えているようです。
 この図録、新居関所史料館が除籍したのであれば問題ありませんが、盗難品だとしたら返さねばなりません。

 そこで、新居関所史料館に問い合わせのメールを送りました。
 今日、ご丁寧な返信を頂きました。
 それによれば、この史料館はもと浜名郡新居町の行政区だったのが、平成22年に湖西市と合併した関係もあり、重複していた資料を整理して除籍扱いにしたとのことでした。

 これで安心してブログに載せることができました。(^_^)

 史料館が除籍扱いした書籍や冊子を廃棄せずに、古書店等に売却してくれたことはありがたいことでした。
 廃棄されてしまったらそれまでですけど、売却されれば、巡り巡って有効活用される可能性が出てきますものね。

 ただ、私の手に落ちてしまうと、ブログのネタにされて、あとは死蔵という運命を辿ることになりそうで、有効活用とはゆかなそうですけど。(^_^;

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コメント

「新居関所史料館蔵」のつもりなのでせう。「料」は無茶な字體になつてをり、「関」「蔵」は新字體の形にこしらへてしまつた。歴とした篆書があるのに。國語で言へば、「シクラメンのかほり」や「よゐこ」「龍が如く」がまかり通る不思議な時代。かうして文化破壞が着着と進行し、歎かはしいと思ふ人もゐない「文化國家」日本。

筒井先生

 コメントをありがとうございます。
 すぐ手の届くところにあったのが金石大字典で、篆書の字典ではありませんので、ひょっとしたら「料」はああいう字体もあるのかと思いましたが、あの蔵書印の文字はアウトなのですね。(^_^;

 油断のならない世の中です。

 「関」「蔵」は、確かに新字体を篆書風に作ってしまっていますね。

 ありがとうございます。

さすが源さんですね。
地元豊橋にいても持っていないものを,手に入れてくださるなんて,ありがたいことです。

でも,湖西市の対応には残念だとしか言いようがありません。
いくら新居町と湖西市が合併したからといって,整理していいものと悪いものがあるのでは無いでしょうか。
こういう類いのものは,寄贈でしょうから・・・。
保存の道はあったはず。
それに,湖西市は豊橋市の隣接市町村で,県は違うけれども人的交流が多いのです。
残念。

ごめんなさい。こんな批判的なことを書いてしまって。
源さんには,感謝です。

萩さん

 コメントをありがとうございます。

 良いものが手に入りました。
 図版は、それぞれの文献ごとに見開き1枚ずつですので、まあ、内容見本のような感じですけど、雰囲気は伝わってきます。

 除籍は、本文に書きましたように、重複していたものを整理したとのことですので、各資料につき、状態の良いものを1~2部残して、他を処分ということでしょう。

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