« 明治42年の「名所かるた」(2) | トップページ | 萩原文庫シンポジウム「紋章の地域学」 »

2019年11月24日 (日)

明治42年の「名所かるた」(3)

 今しがた、「明治42年の「名所かるた」(2)」を載せました。現在判明した限りのリストです。

 目の前にデータがあると集計したくなります。(^_^)
 で、集計してみました。

 出典は次のようになります。

  古今集   8
  新古今集  3
  夫木抄   3
  万葉集   2
  金葉集   2
  続古今集  2
  金槐集   2
  李花集   2
  千載集   1
  新勅撰集  1
  続後撰集  1
  玉葉集   1
  続後拾遺  1
  風雅集   1
  新千載集  1
  新続古今集 1
  歌枕名寄  1
  六華集   1
  為尹千首  1
  名将言行録 1
  ふぢ河の記 1
  宰府記行  1
  芭蕉集   1
  漫吟集   1
  賀茂翁家集 1
  琴後集   1
  うけらが花 1
  しのぶ草  1
  不明    6

 かなり多くの文献から採っています。
 古今・新古今が1位・2位を占めています。万葉集も4位ではありますが、歌数は2首に留まります。
 勅撰集からはそこそこ採られているものの、それ以外のものも少なからずあります。
 下の方に並べた漫吟集は契沖、賀茂翁家集は賀茂真淵、琴後集は村田春海、うけらが花は加藤千蔭、しのぶ草は八田知紀です。
 八田知紀は知りませんでしたが、調べてみたら、薩摩藩士で、香川景樹の弟子、高崎正風の師ということでした。

 このかるたの和歌、誰の撰でしょうね。
 このようにあります。
M42meishocard03
 「星野水裏案」の「案」というのは、こういうものを作ろうということを提案したということなのか、選歌も行ったのか。

 星野水裏という人物も知りませんでしたので、これまたググってみました。
 デジタル版 日本人名大辞典+Plusに次のようにありました。

  星野水裏 ほしの-すいり
  1881-1937 明治-大正時代の詩人。
  明治14年生まれ。実業之日本社に入社,明治41年創刊の「少女の友」初代主筆となる。川端竜子,竹久夢二らを起用,
  みずからも叙情詩を発表した。昭和12年5月4日死去。57歳。新潟県出身。早大卒。本名は久。変名に水野うら子,
  淡路しま子。別号に白桃など。詩集に「浜千鳥」「赤い椿」「白桔梗の花」など。

 このかるたが作られた時の『少女の友』の主筆なのでした。
 詩人とのことですので、あるいは和歌に関する造詣も深く、自ら選歌に当たった可能性もありそうです。

 国別の集計は以下の通りです。

  山城 5
  摂津 5
  大和 4
  駿河 3
  近江 3
  信濃 3
  紀伊 3
  遠江 2
  武蔵 2
  常陸 2
  上野 2
  下野 2
  陸奥 2
  出羽 2
  伊勢 1
  尾張 1
  相模 1
  下総 1
  美濃 1
  丹後 1
  播磨 1
  安藝 1
  淡路 1
  阿波 1
  筑前 1

 隅田川を武蔵と下総とにダブルカウントしましたので、合計は51ヶ国になります。
 富士山は駿河とされることが多いと考え、甲斐はカウントしませんでした。この辺、やや不統一です。(^_^;

« 明治42年の「名所かるた」(2) | トップページ | 萩原文庫シンポジウム「紋章の地域学」 »

かるた」カテゴリの記事

史料・資料」カテゴリの記事

文学」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 明治42年の「名所かるた」(2) | トップページ | 萩原文庫シンポジウム「紋章の地域学」 »

2025年2月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28  
無料ブログはココログ

ウェブページ