「令和」に違和感を覚えた理由
昨日書きましたように、新元号が「令和」と発表されたとき、まず違和感を覚えました。
その時は、「令」という文字を元号っぽくないと感じました。実際に、「令」は元号には今まで使われなかった文字のようですね。
ということはありましたが、それだけではなさそうです。
思うに、「令」という文字は、命令であるとか、使役であるとか、そういう意味で使われる漢字なので、それも元号っぽくないと感じた理由と思います。元号に使われた文字って、「永」「和」「長」「久」「安」などという分かり易い好字が多いです。それで、「令」に違和感を覚えたのだと思います。
ところが、「令」って、「令夫人」「令息」のように「よい」という意味もありますね。この2語、私はまだ使ったことがないかもしれませんけど。
現に、「令和」の典拠となった万葉集の用例も「令月」ですね。命令や使役の意味ではなく、「よい」という意味です。
思えば、「令夫人」や「令息」を使ったことのない私も、「深窓の令嬢」をもじった「深窓の令猫」なら使っていました。
その時は、うまいもじりだと自己満足しただけで、「令」の意味に思いを致すことはありませんでした。
「令」の字に「よい」という意味もあることに気づき、違和感はかなり薄らぎました。
勉強や教養は大切です。文系の学問も大事にしなければ。←そこに行く。
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わたしも最初は同じ感覚を覚えました。
何か上からの目線・高圧的なものが感じられて・・・
令息・令嬢の「令」だと気づくのはすぐだったのですが、どうしても最初の感覚がぬぐえません。
それに・・・こういった「官」の力で万葉集が喧伝されるようになるのはちょいと戦前を思い出します。
投稿: 三友亭主人 | 2019年4月 3日 (水) 06時02分
三友亭主人さん
万葉集が広く関心を持たれるようになって嬉しい、ということとともに、万葉集の政治利用ということも感じますね。
万葉集や文学をそんなに大事なものと考えているなら、教育の場でももっと大事にして欲しいという思いもあります。
ま、そういうことはありますが、国書から採ったというのは嬉しいことですし、採った箇所が梅花の宴というのもなかなかですね。考案者は、あの序文が漢籍の影響を受けていることを十分に承知していたことでしょうし、梅が渡来植物であることも当然承知の上でしょう。日中文化交流の長さ、深さを物語る箇所ですよね。
万葉集が売れているようで、日本人はミーハーが多いなぁ、ということとともに、日頃、万葉集に関心を持っている人は多くないのだなぁ、と感じました。
もっと関心を持って貰いたいです。
奈良県としては、遷都1300年から、古事記1300年を経て、いよいよ来年は日本書紀1300年でラストスパートというタイミングで、思いがけなくも万葉集が飛びこんできましたね。(^_^) 万葉文化館の予算が増えますように。
投稿: 玉村の源さん | 2019年4月 3日 (水) 13時41分
>日中文化交流の長さ、深さを物語る箇所ですよね。
考案者が世に言われている通りだとすれば・・・何しろ比較文学的研究なんてなされていたわけですから・・・当然この辺りを念頭に置いてのあるのかなとは思いますね。そのことを単に国書から選ばれたと飲み思っている人に、より確かに理解してもらいたいものですね。
投稿: 三友亭主人 | 2019年4月 3日 (水) 22時20分
三友亭主人さん
はい。
万葉集の中でも、なかなか含蓄のある部分を選ばれたものと思います。
投稿: 玉村の源さん | 2019年4月 3日 (水) 22時28分