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2018年10月30日 (火)

塙書房の『萬葉集』が……

 今年の3月に「おうふうの『萬葉集』が……」という記事を載せました。

 毎年授業のテキストに使っていたおうふう版の『萬葉集』が「品切れ・重版未定」になってしまい、テキストを急遽塙版に変更したという内容です。どうも、おうふうはあの本をもう作らないようです。

 さて、後期授業が始まりましたが、テキストを持っていない学生が目に付きました。そんな折、教務からメールが来て、塙版の数が足りず、入手できない学生が17人いるとのことです。

 塙書房のHPを見たら、この本は「現在増刷中です。12月上旬出来予定です。」となっていました。
Hanawamanyo
 思うに、おうふう版がなくなってしまったことで、私のように塙版に変更した教員が何人もいたのではないでしょうか。それで、塙版が品切れになってしまったものと思います。

 思わぬところに影響が出ました。

 12月までテキストなしというわけには行きませんので、持っていない学生(全員、注文済み、増刷待ちです)には、必要箇所のコピーを配布しました。

 通常であれば、本のコピーをテキストとして使うのは違法行為でしょうが、今回の場合は、コピーを受け取った学生も、増刷出来次第、本を買うことになりますので、法の趣旨からはOKと思います。

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コメント

私は大学一年生の時の、初めての万葉集の講座は非常勤でいらっしゃっていた本田義寿先生でして、指定されたテキストが「新校万葉集」でした。そして輪講にて並行して万葉集を教わっていたのがH先生で、先輩方の多くが桜楓社(おうふう)を使っていらしゃったので早速そちらを購入、二つのテキストを並行して使う一年でした。そして、わが母校にM先生がいらっしゃって、手にしているテキストを見れば、ぼろぼろの塙本。「よ~し、俺もあんなふうになるまで勉強するぞ}と意気込んで、さっそく塙本を購入。以降、万葉集のテキストとしては塙本がメインとなって、以降講義の中でM先生のおっしゃったことや、やはり母校にきていらっしゃったN宮先生やM重先生のおっしゃっとことを書き込んでいるうちに、なかなか手放せない1冊となってしまいまし。
近年、和泉書院のものも購入したのですが、ついつい塙本を手に取ってしまいます。

塙本もそろそろ崩壊寸前になっていますので、その前にその書き込みを整理しながら和泉書院のものに書き写そうかと計画しているのですが、なかなか取り掛かれません。

三友亭主人さん

 同類のおうふう版、塙版、和泉版ですが、それぞれに特徴がありますね。私は、おうふう版は頭注欄に諸注釈の訓が載っているのを便利に感じていました。塙版は広瀬本も本文校訂に使っているのが良いですね。和泉版が最新になりましょうか。国語学の観点からは井手先生・毛利先生のお仕事という点に惹かれます。

 三友亭主人さんの長年にわたる書き込みは貴重ですね。手沢本、書き入れ本ということですよね。財産と思います。

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