「お伽カルタ」
「お伽カルタ」を入手しました。戦前のものと思われますが、私が入手したのは、現物ではなく、2002年の復刻です。
対象となっているおとぎ話は以下の通りです。
桃太郎:7
舌切り雀:7
浦島太郎:6
かちかち山:5
さるかに合戦:5
一寸法師:5
花咲か爺:5
うさぎとかめ:4
分福茶釜:4
桃太郎と舌切り雀が同数の1位です。桃太郎は強力です。以前、「おとぎかるたの比較」と題して、私が持っている2つのカルタを比較したことがありました。今回の「お伽カルタ」が1番古そうですので、それを筆頭に置いて変遷を作り直してみました。
桃太郎 7枚(1位)→8枚(1位)→11枚(1位)
舌切り雀 7枚(1位)→5枚(2位)→4枚(3位)
浦島太郎 6枚(3位)→5枚(2位)→4枚(3位)
さるかに合戦 5枚(4位)→5枚(2位)→3枚(7位)
花咲か爺 5枚(4位)→3枚(6位)→3枚(7位)
一寸法師 5枚(4位)2枚(8位)→4枚(3位)
かちかち山 5枚(4位)→2枚(8位)→4枚(3位)
うさぎとかめ 4枚(8位)→2枚(8位)→2枚(10位)
分福茶釜 4枚(8位)→2枚(8位)→2枚(10位)
因幡のしろうさぎ なし→4枚(5位)→なし
金太郎 なし→3枚(6位)→7枚(2位)
かぐやひめ なし→2枚(8位)→1枚(12位)
こぶとり爺さん なし→1枚(13位)→3枚(7位)
牛若丸 なし→1枚(13位)→なし
三年寝太郎 なし→1枚(13位)→なし
姥捨て山 なし→1枚(13位)→なし
天の羽衣 なし→1枚(13位)→なし
桃太郎は3つのカルタでいずれもトップです。不動の代表的おとぎ話ですね。舌切り雀と浦島太郎も安定した人気です。
前回比較した2つのカルタで面白かったのは、「に」が「日本一の桃太郎」、「も」が「桃から生まれた桃太郎」で共通していたことです。
今回のカルタの「に」「も」は次の通りです。
「レ」と「ソ」はともにかちかち山です。

「レ」はタヌキがおばあさんを打ち殺すところ、「ソ」はおじいさんが婆汁を食べさせられるところ。かちかち山の話はソフト化してきたようですが、このカルタでは昔ながらのハードバージョンです。
読み札の中に気になるものが3枚ありました。

「大きなる」「唐門や」って関西弁ではないでしょうか。「貰ふた」は微妙で、文語かもしれませんが、関西弁かもしれません。
関西弁らしき言い回しが出てくるのはこの3枚だけです。このカルタの読み札を作ったのは関西出身の人なのでしょうかね。3枚にだけうっかり関西弁が出てしまったとか?
ナゾです。
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桃太郎や舌切り雀と一緒に、当然のように、あるいは何気なく、もしくはしれっと、「うさぎとかめ」が入っているのが面白いですね。
もっとも、「だいくとおにろく」が外国の昔話の翻案だと知ったときのインパクトの方が大きかったですけれども。
投稿: 朝倉山のオニ | 2018年10月 9日 (火) 23時26分
朝倉山のオニさん
確かに、うさぎとかめは洋ものですね。
伊曽保などで紹介されて、早い段階で広く知られるようになったのでしょうかね。
「だいくとおにろく」という話は知りませんでした。歳をとっても知らないことが多いです。面目ない。(^_^;
投稿: 玉村の源さん | 2018年10月 9日 (火) 23時37分
私が1960年代の絵本を比較的知っているのは、環境によるものだとおもいます。
幼児期、近所に住んでいた叔母が保育士(保母)で、仕事で集めていた福音館や岩波の絵本を自由に読ませてもらっていたのでした。
「だいくとおにろく」の挿絵は、赤羽末吉なのですが、この人は古事記神話の再話絵本シリーズの挿絵も描いています。
投稿: 朝倉山のオニ | 2018年10月10日 (水) 00時37分
朝倉山のオニさん
あ、それは素敵な環境でしたね。
お子さんだった頃の情操教育にもなったでしょうし、今のお仕事にも役立っていますよね。
理想的です。
投稿: 玉村の源さん | 2018年10月10日 (水) 01時04分
いつも楽しくブログ読ませていただいております。ありがとうございます。関西弁には京都・大阪・他少しづつ違いがあるようですし、私の頃には標準語教育が始まり、母の言葉によればもう3分の1ぐらいしか話せないとのことなので、ようやく内内言葉(家族内)だけなのでご参考になるかどうかかわかりませんが・・・私の言葉(京都)では、貰うたーもろた・・・美しーうつくしい・・・おおきなるーおおきゅうなる・・・でした。これらの言葉は短歌や俳句の言葉ではないでしょうか。間違っていたらごめんなさい。言葉は生き物で時代とともに変化するように感じております。いつも楽しく読ませていただきありがとうございます。
投稿: 万葉子 | 2018年10月10日 (水) 10時27分
万葉子さん
お久しぶりです。
ご教示ありがとうございます。
なかなか難しいですね。文語と口語との境目あたりの表現になってしまった結果の言い回しなのでしょうかね。
「唐門や」の「や」は俳句の切れ字のようでもあり、そうでないようでもあり、不思議です。
投稿: 玉村の源さん | 2018年10月10日 (水) 11時23分