移ろふつきくさ
今朝、ゴミ出しをしようと、8時過ぎに玄関を開けたら露草が20輪ほど咲いていました。
花が小さくてよく見えませんね。
アップです。
露出をちょっと失敗してしまいまして、何となく力の無い写真です。←よく言えば、幻想的な。(^_^)
万葉集で「つきくさ」とよまれているのが今の露草とされます。
全部で9首ありました。
・つき草の移ろひやすく思へかもわが思ふ人の言も告げ来ぬ(4-583)大伴坂上大嬢:相聞
・月草に衣そ染むる君がため斑の衣摺らむと思ひて(7-1255)古歌集:雑歌
・鴨頭草(つきくさ)に衣色どり摺らめども移ろふ色といふが苦しさ(7-1339)譬喩歌・草に寄す
・月草に衣は摺らむ朝露にぬれての後は移ろひぬとも(7-1351)譬喩歌・草に寄す
・朝露に咲きすさびたる鴨頭草(つきくさ)の日くるるなへに消ぬべく思ほゆ(10-2281)秋相聞・花に寄す
・朝(あした)咲き夕(ゆふべ)は消ぬる鴨頭草(つきくさ)の消ぬべき恋もわれはするかも(10-2291)秋相聞・花に寄す
・鴨頭草(つきくさ)の仮れる命にある人をいかに知りてか後も逢はむとふ(11-2756)寄物陳思
・うち日さす宮にはあれど鴨頭草(つきくさ)の移ろふ情わが思はなくに(12-3058)寄物陳思
・百(もも)に千(ち)に人は言ふとも鴨頭草の移ろふ情われ持ためやも(12-3059)寄物陳思
譬喩歌や寄物陳思が大多数です。そして、「移ろふ」とよまれているのが5首、「消ゆ」とよまれているのが2首ありました。
花は染料に使われたようですが、花そのものは朝咲いて昼には萎れてしまうし、染めた色もすぐに褪せてしまうということで、はかないものの比喩によまれることが多いのでしょうね。
確かに、花が咲いているのはゴミ出しの時しか見ることができません。(^_^;
しかし、こんなに小さな花を染料に使おうとしたら、集めるのが大変でしょうね。しかも、朝早くに取らないといけないし。
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ツユクサも,こんなふうに万葉集と絡めて紹介されると
格が上がりますね。
きょう さんの,「楽しい万葉集」みたい。
https://blog.goo.ne.jp/manyo21
といって,まほろばで「萩の花」を見返すと・・・
投稿: 萩さん | 2018年8月11日 (土) 10時45分
萩さん
あ、確かに。(^_^;
前の掲示板では、唐招提寺の萩や矢瀬遺跡の萩を取り上げたこともありましたけど、ブログでは萩自体を一度も取り上げたことさえなかったかもしれませんね。
失礼しました。
では、万葉集における萩を取り上げます。しばしお待ちください。
投稿: 玉村の源さん | 2018年8月11日 (土) 14時42分