おとぎかるたの比較
昨日、「おとぎかるた」をご紹介しましたが、そういえば、前にも同様の記事をアップしたことを思い出しました。
平成27年2月21日の「昔話のかるた」でした。このかるたは戦前のものと思われます。
その記事でも、内容別の集計をしていました。データがあると集計したくなるという習性は変わらないようです。(^_^;
そして、複数のデータがあると比較したくなります。(^_^)
戦前の「昔話のかるた」→戦後すぐと思われる「おとぎかるた」で、内容別の枚数と順位とを比較してみました。
桃太郎 8枚(1位)→11枚(1位)
浦島太郎 5枚(2位)→4枚(3位)
舌切り雀 5枚(2位)→4枚(3位)
さるかに合戦 5枚(2位)→3枚(7位)
因幡のしろうさぎ 4枚(5位)→なし
金太郎 3枚(6位)→7枚(2位)
花咲か爺 3枚(6位)→3枚(7位)
一寸法師 2枚(8位)→4枚(3位)
かちかち山 2枚(8位)→4枚(3位)
うさぎとかめ 2枚(8位)→2枚(10位)
分福茶釜 2枚(8位)→2枚(10位)
かぐやひめ 2枚(8位)→1枚(12位)
こぶとり爺さん 1枚(13位)→3枚(7位)
牛若丸 1枚(13位)→なし
三年寝太郎 1枚(13位)→なし
姥捨て山 1枚(13位)→なし
天の羽衣 1枚(13位)→なし
以上です。
桃太郎は不動の1位でした。枚数も2位以下とはやや差があります。
あとは、金太郎が上昇していること、戦前のかるたには4枚あった因幡のしろうさぎが戦後のかるたではなくなってしまっていることなどでしょうか。
それ以外は誤差の範囲内という気がします。
両方ともトップだった桃太郎の絵札を比べてみます。まずは戦前の。
戦後の。
そして、気づいたのは、「に」「や」「も」の札の絵の内容が同様だということです。
字札は戦後版では次の通りです。
に:にっぽん いちの ももたろう
や:やまで しばかる おぢいさん
も:ももから うまれた ももたろう
戦前版は、あいにく行方不明で、字札を見ることができません。わが家に来たものはすぐに行方不明になります。管理の悪いことです。(^_^; 絵が同様なのですから、字札の方も多分同様の内容と思います。
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分類整理は,源さんの得意技ですね。
恐れ入ります。
戦前と戦後の紙質の違いには驚きです。
戦争中は,良い紙が手に入りにくいでしょうから
少し前の時代ですかね?
本当に昔話の内容なので,安心しました。
投稿: 萩さん | 2018年8月19日 (日) 20時16分
萩さん
戦後版はかなり紙が薄い上に、紙質も良くありません。戦後1~2年のものではないかと思います。
戦前版の方は、今手もとにありませんが、そこそこの厚みがあったように思います。
こういうものにも(あるいは、こういうものだからこそ)社会全体の経済状況等が反映しますね。
投稿: 玉村の源さん | 2018年8月19日 (日) 21時16分
戦後版のものを見ていて思い出した言葉があります。
「もののないころ」という言葉です。
明治四十年代に生まれた祖母や大叔母がよくこの言葉を使っていました。終戦直後のことを指す言葉だと理解しています。
食べることで手一杯の時代、それでも子どもたちに遊びを、と考えた人たちがいたのでしょうね。
投稿: 朝倉山のオニ | 2018年8月21日 (火) 00時38分
朝倉山のオニさん
コメントをありがとうございます。
そして、良いお話しをありがとうございました。
こういう視点は全く欠けていました。
本当に物のない時代、それでも、子供たちにこういうもので遊んでもらいたいと考えた大人たち、そして、目を輝かせて遊んだであろう子供たち。そういうことに思いを馳せるべきでした。
ありがとうございました。
投稿: 玉村の源さん | 2018年8月21日 (火) 02時30分