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2018年6月 1日 (金)

『日本文学全集の時代』

 つい先日、この本を読了しました。
Nichibuntasaka01
 『日本文学全集の時代-戦後出版文化史を読む』(田坂憲二著。慶應義塾大学出版会)です。とても面白く、また勉強にもなりました。

 裏表紙に書いてある章立てです。
Nichibuntasaka02
 帯にはこのように書いてあります。
Nichibuntasaka03
 この本のことはネットの「日本の古本屋メールマガジン」4月25日号で知りました。私は近現代の文学にはあまり関心が無く、普通ならばこうした書籍には反応しなかったと思いますが、著者の田坂先生が元同僚でよく存じ上げていることと、この本で取り上げられている全集の中に家にもあるものがあり、読んでみたくなりました。

 これだけ多くの、しかも異版が夥しくある日本文学全集を博捜され、それらを見事に体系立てて論じられた内容に圧倒される思いでした。それぞれの文学全集の特徴や意味合いがよく理解できました。正直言って、それぞれの全集名は似通っていてごちゃごちゃになってしまいましたけれども。(^_^;

 巻頭に16ページに及ぶカラー口絵があり、そこに本文で取り上げられている全集の表紙の画像が1ページに4点ずつ紹介されています。圧巻でこれも有意義なものと思いました。

 しかし、これだけ多くの日本文学全集が、並行して多くの出版社から刊行され続けていた時代というのは、文学にとっても出版文化にとっても、何とも幸せな時代だったものと思います。高度経済成長の時代であったにせよ、文学や書籍に関心のある人がたくさんいたのですね。

 現代のように、出版不況、書店の廃業、大型書店さえも閉店、文学部不要論が唱えられている状況とは隔世の感があります。

 あれこれ考えさせられるところの多い本でした。

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コメント

各章の< >のなかの命名が興味を引きますね。
それにしても一つの全集を読み切るだけでも中々できないことなのにねえ・・・

三友亭主人さん

 はい。仰るとおり、それぞれの命名が興味を惹きますよね。
 実際に読んでみると、それぞれの命名、それぞれに特徴を表していて、大変適切と思います。
 出版社でも、これだけライバルが多いのですから、何か特徴を出して、差異化を図る必要があったのでしょう。それで、多くの文学全集が共存できたのだとも思われます。

 中央公論社のように、『日本の○○』『世界の○○』という具合に1社で横に拡大していった例もありますよね。
 『日本の歴史』の第一巻「神話から歴史へ」は面白かったです。

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