大正15年の「忠臣蔵新報」
このようなパンフレットを入手しました。
大正15年4月の発行です。発行元の富士館は浅草六区にあった映画館で、尾上松之助主演映画の上演で人気を博したのだそうです。
1枚紙の2つ折りで、全4ページです。
1ページ目に尾上松之助の演説が載っていました。
300年の歴史を持つ忠臣蔵も、時代によって描かれ方が変わっていったことが、この文章からも伺えます。
面白いことが書いてありました。
忠臣蔵は雪が降らないと撮れないとあります。今ならば、綿や塩や発泡スチロールを使って雪のシーンを撮影するのでしょうに、この時代は降雪待ちだったのですね。綿や塩だって使えたのでしょうが、予算の関係でしょうかね。
いつまでも雪が降らない可能性だってあったでしょうに、雪待ちをして、午前3時に総動員しての撮影って、すごすぎます。
見開きの2~3ページです。
ここには撮影スケジュールが載っています。
その冒頭部。
末尾。
たまたまでしょうけど、撮影日数が47日。ロケもあちこちで行っています。
最後のページは丸ごと配役表です。
さすがに大正15年というと名前を知っている人さえほとんどいません。あと10年くらい後ならば、大河内伝次郎、片岡千恵蔵、阪東妻三郎、月形龍之介、山田五十鈴などなど、知っている人がたくさん並ぶのですけど。
わがライフワークの「忠臣蔵配役表」(更新はずっと中断していますけど)の貴重な資料になります。
このパンフレットの発行が大正15年の4月。主演の尾上松之助が亡くなったのはこの年の9月11日だそうです。松之助の最後の作品かもしれませんね。
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