昭和38年の「東京文化地図」
昭和38年に発行された「東京文化地図」を入手しました。東京オリンピックの前年です。サイズは79cm×55cm程です。
これを8つ折りにした外側が表紙になっています。こんな感じです。
これを折ったまま裏返した姿。
東京オリンピックの競技日程、過去のオリンピックの記念切手、オリンピックの歴代開催都市の地図という内容です。
これを開くとこうなります(全体の4つ折り)。
東京の鉄道路線図で、オリンピック競技場の種目ごとのマークが入っています。小さくて見にくいですが、地下鉄は緑色の線で描かれています。今のように複雑ではありません。(^_^)
一部拡大します。
まだ玉電が走っています。今は三軒茶屋駅から下高井戸駅までの世田谷線しか残っていませんが、三軒茶屋から駒沢を経由して二子玉川駅までが本線です。三軒茶屋駅から2つ目の上馬駅がわが家の最寄り駅でした。玉電が廃止されて地下化されたあとは、三軒茶屋の次は駒澤大学になってしまったのでした。中里、上馬、真中は廃止。(^_^;
閑話休題。
これをさらに2段階開いた内側が文化地図です。
細かすぎて分かりませんね。部分的に拡大します。
神田神保町付近。
出版社がひしめいています。
隅田川の西、日本橋の南。
北に馬喰宿跡。その南に末広亭、明治座、玄冶店跡。その西に魚河岸跡があります。南東には深川の芭蕉庵跡。
隅田川の東、両国付近。
北西に伝馬町の牢屋跡、時の鐘。中央付近に鼠小僧の墓。その東には回向院と吉良邸跡があります。
世田谷線沿線。
豪徳寺と松陰神社。世田谷代官屋敷跡もあります。そして、東宝撮影所。
池上周辺。
洗足池や池上本門寺、大森貝塚。そしてなぜか巨大な学研。(^_^;
とまあ、こんな感じの文化地図です。
趣旨は以下のように書かれています。
奥付は以下の通りです。
発行者は出版取次店の東販ですね。それで、地図には出版社がたくさん描かれていたのです。画像でご紹介しなかった面には、「日本の出版社」(東京限定ですが、地区別に出版社名、住所、電話番号、出版内容、発行雑誌名が列挙されています)と「文化公共機関・名所旧蹟」のリストが掲載されています。
出版社が元気いっぱいだった時代が偲ばれます。
1つ不思議なのは、この地図はこういう袋に入っていたことです。
下の方に大盛堂書店とあります。最初にこの文字を見て、この地図は大盛堂書店が発行したのかと思いました。ところが奥付では東販となっています。
どうなんでしょうね?
定価が全く書かれていませんので、ひょっとしたらこの地図は非売品なのかもしれません。大型書店に東販から配布されて、それぞれの書店が自店の名前を印刷した袋に入れてお得意さんに配ったとか。そんなことを推測しました。
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「東京文化地図」
これは,かなり価値あるものですね。
中面の絵地図は,すぐれもの。
昨年私も訪れた豪徳寺や松陰神社もバッチリ載っています。
まさに文化地図。
50数年昔も今も,歴史も文化も続いているという感じです。
投稿: 萩さん | 2018年5月 7日 (月) 17時28分
萩さん
本当に、あれやこれやよく拾っていると思います。
それを、大きな地図の全面にわたって描いているのですから、すごいものです。
もっとも、周辺部は田んぼや畑が多いですけど。(^_^;
歴史も文化も続いていますね。
ただ、今同じようなものを作るとしたら、やはり出入りがありましょうね。
玄冶店跡などは、今なら載らないかもしれません。これが当時載ったのは、春日八郎の「お富さん」の影響があったかもしれませんね。当時は、子供でも「死んだはずだよお富さん」というフレーズを知っていましたものね。(^_^)
投稿: 玉村の源さん | 2018年5月 7日 (月) 18時57分