大正4年の「奈良県管内全図」
大正4年の「奈良県管内全図」を入手しました。
この地図で嬉しいのは、当時の郡界が示され、それぞれの郡が色分けされていることです。
昔の郡界を示したものには、『国史大辞典』や『日本歴史地名大系』の地図などもありますけど、それらに比べてこの地図は大きいし、色分けしてあるし、地名も豊富だし、ということで、分かり易く有用です。
ただ、大正時代の地図なので、江戸時代以前とは郡名も範囲も異なります。
ざっと言えば、
添下+平群=生駒
広瀬+葛城下=北葛城
葛城上+忍海=南葛城
磯城上+磯城下+十市=磯城
となるようです。
平城京付近。
平城京の中を、添上郡と生駒郡との間の境界線が通っていたのですね。
現在、平城京の北辺付近にウワナベ・コナベ古墳というのがありますけど、その古墳名は大鍋・小鍋となっています。
山辺道沿い。
櫟本や和邇下神社は添上郡、丹波市は山辺郡、柳本は磯城郡なのでした。
飛鳥付近。
大和三山の中で、耳成山と香具山は磯城郡、畝傍山は高市郡ですね。あと、今井、雲梯、飛鳥、岡、檜前、真弓、高取なども高市郡。御所は南葛城郡です。
飛鳥の東方。
三輪山、桜井、倉橋、初瀬、吉隠などは磯城郡、榛原は宇陀郡です。
見ていて楽しいです。しかし、大和国は南方6割ほどが吉野郡ですね。
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これは楽しいものを見つけましたね。
見ていて・・・飽きませんねえ。
個人的には一番下のやつが気にかかりますが、こんど万葉学会の一日旅行で歩くのは舌から2番目の当たりでしょうか・・・
投稿: 三友亭主人 | 2018年4月30日 (月) 22時39分
すみません
>舌から
・・・「下から」です。
投稿: 三友亭主人 | 2018年4月30日 (月) 22時40分
三友亭主人さん
この地図、色分けされていて分かり易いし、地名も豊富で、気に入りました。
相当精密な仕事ですよね。大正4年といってもなかなか侮れませんね。
萬葉学会のHPを見に行きました。今年度の1日旅行は、壺阪山駅前~檜隈寺跡~牽牛子塚古墳~岩屋山古墳~飛鳥駅前なのですね。
牽牛子塚古墳は斉明天皇陵で決まりのようですね。もう大分整備されましたでしょうかね。
投稿: 玉村の源さん | 2018年5月 1日 (火) 00時59分