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2018年3月 7日 (水)

明治18年の定宿帳(豊橋の壺屋)

 道中記も私の収集対象の中に入ってきています。この度、このようなものを入手しました。明治18年のものです。
M18isshin01
 左側に、山形に「ウ」のマークの下に「同盟周旋方」とあり、右下にも中央に同じマークの入った朱印が捺してあります。ページをめくって行くと、このマークは奈良の「うをや佐兵衛」のものと分かります。それは別稿で。左下には「袋井駅本多留平改印」とありますが、この意味は分かりませんでした。

 最初のページはこのようです。伊勢神宮から始まって、奈良、飛鳥や高野山、大坂などへの旅程が載っています。
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 不思議なのは1行目にある豊橋のつぼや庄六です。なぜ伊勢神宮の前に豊橋があるのかさっぱり分かりませんでしたが、以前当ブログでもご紹介した明治21年の定宿帳を見て判明しました。
M21isshin03
 左下にありますように、豊橋から伊勢神宮への船が毎日出ていたようです。それで、伊勢の1つ手前が豊橋なのでした。こちらも同じくつぼや庄六です。

 さて、この「つぼや」、ググっていたら、現在、豊橋に壺屋という弁当屋さんがあるのを知りました。HPもあります。そこに、「壺屋の歴史」というページがあって、そこに年表が載っていました。その冒頭部分を示します。

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 明治21年(1888年) 旧東海道船待ちの豊橋付近で豊川を上下する船頭旅行相手に回槽問屋と料理旅館を経営。国鉄東海道本線開業の直前、東海道筋がさびれるのを見越して駅前へ移転進出し壺屋旅館開業。

 明治22年(1889年) 前年の豊橋駅開業に伴い、豊橋駅構内営業を承認される。

 明治末期 この頃より稲荷寿しの販売を開始。

 大正期 「壺屋旅館」から分離独立して「壺屋弁当部」創立。店舗を花田中央町に構える。
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 今回ご紹介しているのは、明治18年の定宿帳ですので、上の年表にある明治21年の壺屋旅館開業よりも前です。まだ旅館ではなく廻船問屋の時代だったのでしょうかね。

 なんか興味深いです。

 さらに探すと、年代未詳の「真誠講」にもこんなページがありました。
Shinseiko03
 伊勢神宮から豊橋へは船での移動となっています。これも当ブログでご披露していたものでしたが、すっかり忘れていました。豊橋の出船所はやはり「壺や庄六」とあります。「泊」ではなく「休」ですので、まだ旅館にはなっていないのかもしれません。

 今回入手した道中記では、伊勢神宮の直前に豊橋があったことで「はて?」と思いました。これで、豊橋と伊勢との船便のことが頭に定着したことと思います。(^_^)

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コメント

おかげで壺屋弁当部の弁当部の歴史が分かりました。
昔からこの地方は伊勢神宮とのつながりが大きかったのでしょうね。
渥美半島の太平洋岸(表浜)には,その昔「伊勢街道」が通っていたそうです。
今でもその一部がありますが
多くは,海の中に没しています。

○○御厨もたくさんあったと聞きます。
調べていくとおもしろそうです。

萩さん

 コメントをありがとうございます。

 今回の道中記しか見なかったら、伊勢神宮の直前になぜ豊橋が位置しているのか分かりませんでした。複数の資料を見合わせることで何かが見えてくるのは楽しいです。

 三河は河川交通が盛んだったので、それで培った造船技術や操船技術を海運にも応用したのでしょうかね。

 もともと陸路による伊勢との繋がりが大きかったのだとしたら、海路でも、という発想は分かる気がします。

 壺屋弁当部は有名なお弁当屋さんのようですね。稲荷寿司が有名なのですね。

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