「伊勢ヨリ大和七在所巡及高野山大坂西京迄一覧図」
ネットオークションで明治時代の地図を入手しました。「伊勢ヨリ大和七在所巡及高野山大坂西京迄一覧図」という長い名前です。
右上に伊勢神宮があります。左上に近江の草津、その下に京都があります。下辺付近中央やや左に大坂、右下は高野山です。右辺中央付近に吉野、そこから左に飛鳥、さらに左に奈良が描かれています。
版元は奈良町の河村音松さん。先日ご紹介した「奈良名所細見図」と同じ発行者です。
奈良・京都付近の拡大図。
画面右端付近中央やや下に「西の京」があり、画面左端中央に「西京」があります。「西京」には東西本願寺と五条大橋が描かれています。京都のことを「西京」と書いているのは「東京」に対してのもので、「さいきょう」と読んだのでしょう。
「西の京」の左隣には「しよだい寺」とあります。唐招提寺のことですが、これまで当ブログでいくつがご紹介した絵図や道中記などでも「せうだい寺」や「正大寺」などと記されることが常で唐招提寺と記したものは見当たりませんでした。いつごろから唐招提寺が普通の呼び名になったのか関心があります。
飛鳥付近の拡大図。
奈良から南下した道は丹波市や柳本を経て、大神神社で東へ折れて、長谷を経て伊勢に向かいます。
一方、西の京から法隆寺、龍田を経て八木に至った道は、神武天皇陵、阿倍、飛鳥、橘寺、岡寺、多武峰を経て、吉野方面に行ってしまいます。
大神神社と飛鳥とは近いのに、この地図上では接続していません。
さて、ここでもまた、神武天皇陵、橘寺、岡寺という、以前ご披露した久米寺前の道標が思い出されました。
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