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2018年3月20日 (火)

『師範学校国文教科書』巻六(つづき)

 昨日取り上げた師範学校国文教科書の続きです。

 附録の 「二 文字に関する問題」には次のようにあります。
T13shihankoku6e
 続きです。
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 1から9まで、それぞれに興味深いです。現代ではもう決着の付いてしまったものあり、まだ決着をみないものあり、様々ですね。

 1の平仮名・片仮名の優劣というのはどういうことでしょうね。小さい文字のコメントを読むと、どちらの方が憶えやすいか、ということでしょうかね。当時はまだ漢字カタカナ交じり文も多かったことでしょうし、小学校では片仮名の方を先に教えたようですから、こういうことが問題になっているのでしょうね。

 3の漢字制限のことは、戦後すぐに実現しましたね。でも、近年は電子機器の普及により、読める漢字と書ける漢字とを分けて考えるようになってきたのは、新しい流れですね。

 6も、戦後、現代仮名遣いとして実現しましたね。でも、個別にみてゆくと、矛盾点もあって、解決済みとは言えないようです。

 「四 単語に関する問題」は以下の通りです。
T13shihankoku6g
 これまた、現代でも問題になりそうな事項がありますね。そもそも、どこかで決めるべきことなのか、決める必要のないことなのかという問題もありそうに思えます。

 昨日書いたように、これらの「附録」が初版の明治36年から既に存在していたのか、あるいはその後の訂正版あるいは修正版のどこかで付いたものなのか不明ですが、長年月に亙る問題ですね。

 この教科書では、これらの問題点について、どうあるべきものか、どうすべきものかということは言及していません。こういう問題点があるということを示しているのみです。将来教職に就く人たちに対して、こういう問題点があることを心に止めて置いてもらいたい、という趣旨なのかと思います。

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